根室市議会 > 2003-12-16 >
12月16日-01号

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  1. 根室市議会 2003-12-16
    12月16日-01号


    取得元: 根室市議会公式サイト
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    平成15年 12月定例会(第4回)     平成15年第4回根室市議会定例会会議録           第  1  号     平成15年12月16日(火曜日)午前10時0分開会〇議事日程 日程第1 会期の決定 日程第2 一般質問〇出席議員(21名)  22番   議   長   嶋 津 隆 之 君  7番   副 議 長   熊 谷 雅 史 君  1番   議   員   鈴 木 一 彦 君  2番     〃     高 本 みさ子 君  3番     〃     神   忠 志 君  4番     〃     下 川 靖 男 君  6番     〃     千 葉 智 人 君  8番     〃     波 多 雄 志 君  9番     〃     五十嵐   寛 君  10番     〃     久保田   陽 君  12番     〃     浜 辺 洋 一 君  13番     〃     中 林   直 君  14番     〃     藤 根 元 吉 君  16番     〃     澤 崎 文 剛 君  17番     〃     佐 藤 敏 三 君  18番     〃     滑 川 義 幸 君  19番     〃     遠 藤 輝 宣 君  20番     〃     永 洞   均 君  21番     〃     飛 島 照 義 君  23番     〃     田 塚 不二男 君  24番     〃     竹 内 正 利 君〇出席を求めた者  市        長   藤 原   弘 君  教 育 委 員 会委員長   前 田   康 君  代 表 監 査 委 員   宮 野 洋 志 君  農 業 委 員 会 会 長   野 村 忠 雄 君  選挙管理委員会委員長   成 田 幹 雄 君〇委任を受けた説明員  助        役   長谷川 俊 輔 君  収    入    役   小 形 峯 雄 君  総  務  部  長   伊 藤   司 君  北 方 領 土 担当参事   新 濱   悟 君  企 画 振 興 部 長   小 山 春 彦 君  保 健 福 祉 部 長   藤 谷 聖 次 君  水 産 経 済 部 長   小 松 輝 昭 君  建 設 水 道 部 長   蜂須賀 正 則 君  病 院  事  務 長   嶋 倉 博 義 君  消    防    長   白 崎 紘 司 君  総  務  課  長   小田嶋 英 男 君  情 報 管 理 課 長   竹 脇 秀 斗 君  市 民 環 境 課 長   鵜ノ澤   馨 君  北 方 領 土 対策室長   丸 山 一 之 君  北方四島交流センター館長 高 橋   稔 君  病 院 建 設 準備室長   菊 地   崇 君  企 画 政 策 室 長   石 垣 雅 敏 君  財  政  課  長   島 谷   満 君  税  務  課  長   島 野 治 人 君  社 会 保 育 課 長   熊 谷   勉 君  福祉課長(兼)老人福祉センター館長(兼)母子通園センター館長               細 井 芳 夫 君  保  健  課  長   芦 崎 信 二 君  介 護 保 険 課 長   五十嵐 英 一 君  水産課長(兼)水産研究所次長               奥 田 誠 二 君  水産加工振興センター所長 鈴 木 義 克 君  農林課長(兼)春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター館長               二 瓶 哲 雄 君  商 工 観 光 課 長   菊 地 幹 夫 君  港  湾  課  長   笹 谷 廣 明 君  都 市 整 備 課 長   初 井 一 彦 君  用  地  主  幹   田 中 保 博 君  建 築 住 宅 課 長   谷地中 義 幸 君  建 築 住 宅 課 主 幹   金 平 信 夫 君  下 水  道  課 長   堀 合 康 文 君  営  業  課  長   高 島 成 司 君  施  設  課  長   鎌 重 清 二 君  浄  水  場  長   畠 山 義 治 君  会  計  課  長   冨 永   進 君  病 院 事務局総務課長   長谷川 時 寛 君  病院事務局医事課長(兼)病院事務局医療情報室長               本 田 俊 治 君  消 防 本 部 次 長   柿 崎 直 嗣 君  消 防 本 部 総務課長   城 野 昭 彦 君  消 防 本 部 警防課長   加 藤 義 則 君  消 防 本 部 副 署 長   織 田 勝 洋 君  消 防 本 部 副 署 長   武 田 静 夫 君  消 防 本 部 救急主幹   宗 像   淳 君  総  務  係  長   岩 山 幸 三 君  教    育    長   渡 辺 好 之 君  教  育  部  長   竹 原 賢一郎 君  学  務  課  長   平 松 利 英 君  社 会 教 育 課 長   西 村   快 君  社 会 体 育 課 長   佐々木   清 君  総 合 文 化 会 館 長   谷 村 秀 昭 君  図  書  館  長   重 永   猛 君  勤労青少年ホーム館長   佐 藤 達 雄 君  監 査 委 員 事務局長   後 藤 勝 之 君  農 業 委員会事務局長   上 野 征 児 君  選挙管理委員会事務局長  北 谷 英 俊 君〇出席事務局職員  議 会 事 務 局 長   米 谷   隆 君  議 会 事 務 局 次 長   垣 通 鎮 夫 君  議会事務局議会総務係長  吉 本 恭 郎 君  事 務 局  書  記   佐々木 有希乃 君  事 務 局  書  記   大 崎 和 也 君──────────────────────── ○議長(嶋津隆之君)  おはようございます。 ただいまから平成15年第4回根室市議会定例会を開会いたします。 本日の会議を開きます。 初めに、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に4番下川靖男君、16番澤崎文剛君、23番田塚不二男君を指名いたします。 ここで事務局長から諸般の報告をさせます。 ◎議会事務局長(米谷隆君)  おはようございます。 御報告申し上げます。 初めに、会議の出欠状況でありますが、ただいまの出席は21名であります。 本日の議事日程及び諸般の報告は、お手元に御配付のとおりでありますので、朗読を省略いたします。 なお、本日付をもちまして、市長より追加議案の提案が1件ございましたので、お手元に御配付をいたしました。 以上で報告を終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  議事に入る前に議会運営委員長から発言の申し出がありますので、これを許可いたします。 滑川義幸君。 ◆(滑川義幸君)  おはようございます。 議長のお許しをいただきましたので、私から本定例会の議会運営にかかわる申し合わせ事項について簡潔に御報告申し上げます。 初めに、本定例会に伴う一般質問は13名であります。 また、本定例会に付議された議件は、市長提出12件、議会提出1件の合計13件であり、議件を審議する日程については、お手元に御配付の会議日程に従って取り進めるものとし、会期は本日から12月19日までの4日間とすべきことに意見の一致を見たところであります。 次に、議案の審議方法について申し上げます。 まず、補正予算については、先例に従い、11名の議員で構成する予算審査特別委員会を設置し、付託の上審査をするものとし、また条例議案については、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託することに決定したところであります。 更に、議長提出の選挙第1号及び意見書案については、最終日の本会議での審議とすることで意見の一致を見たところであります。 なお、最終日の本会議は、特別委員会の審査などのため、午後4時30分に繰り下げて開会することを申し合わせしたところであります。 以上をもちまして私の報告といたします。 ○議長(嶋津隆之君)  次に、市長から行政報告について発言の申し出がありますので、これを許可いたします。 藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  おはようございます。 議長の許可をいただきましたので、5点について行政報告を申し上げます。 第1点目は、根室市じん芥処理焼却場の竣工に伴う施設の引き渡しについてであります。 平成12年1月にダイオキシン類対策特別措置法が施行され、焼却場の排ガス規制が大幅に強化されたことから、じん芥焼却場排ガス高度処理施設等整備工事を平成13年7月から3カ年の継続事業として、総工費24億6,225万円で施工をしておりましたが、完成予定の平成16年3月末を待たずに去る11月7日に竣工し、検定の後、11月13日に施設の引き渡しを受けたところであります。 なお、施設の引き渡し前に各種の公害防止規制値を測定した結果、廃棄物焼却炉より排出される排ガス中のダイオキシン類濃度は、国が定める5ナノグラム以下の基準値で、1号炉は0.000026ナノグラム、2号炉は0ナノグラムという測定結果が報告されており、ばいじんなどその他の公害防止規制値も、すべて基準を下回る良好な測定結果が報告されております。 現在、近代的な機能を備えた根室市じん芥焼却場として運転を開始しておりますが、今後におきましても、国の一般廃棄物処理施設の維持管理上の技術上の基準を遵守し、焼却場に求められております各種の公害防止規制に細心の注意を図りながら、根室市内から排出されます可燃ごみの安定焼却に努めてまいります。 なお、平成14年12月より標津町の可燃ごみを受け入れしているところでありますが、本年12月より羅臼町、また平成16年1月から中標津町の可燃ごみを、管内4町における広域の焼却場が供用開始されます間受け入れをしてまいります。 次に、貝殻島昆布採取漁業に関する要請についてであります。 今般、ロシア側が、貝殻島昆布採取協定政府間協定に変更したいと日本側に求めているとの報道があり、地元漁業者などに来年以降の操業に対しての不安が広がっている状況にあります。このため去る12月1日、本漁業の持続的な操業の確保について、市と歯舞、根室、落石の関係3漁協の連名で、日本側交渉団体北海道水産会から大野副会長に御同行いただき、外務省、内閣府、農林水産省、水産庁、道内選出及び関係国会議員に対し緊急要請をしてまいりました。 要請の内容については、本漁業は安全操業を実現するための人道的な見地と、日ロの友好親善を発展させる両国のかけ橋として昭和38年に締結された民間協定を基本に操業が確保されているところであり、このような協定締結に至った経緯を踏まえ、本漁業の長期的かつ安定的な継続と操業適期での出漁の確保について要請したものであります。 要請に対しまして、田原水産庁長官からは、「ロシア側から政府間交渉に変更するという正式な提案はないが、本漁業を今後も安定して継続させることを基本に情報収集を行うなど、外務省とも連携して取り組んでいきたい」、また小松外務省欧州局長からは、「ロシア側から変更の提案はないが、今後も現行の枠組みの中で協議を行いたい」、更に関係国会議員からは、「本漁業が安定的に継続できるよう最大限努力をする」との発言があったところであります。 市といたしましては、こうした水産庁、外務省の動向に注目するとともに、今後におきましても、北海道水産会関係漁業協同組合と連携して、本漁業の操業が安定的に確保されるとともに、本年のようにロシア側の国内調整のおくれから出漁がおくれる事態とならないよう、情報収集などの素早い対応を国に求めてまいりたいと考えております。 次に、根室海事事務所の統廃合についてであります。 平成13年9月、北海道運輸局企画部長が当市を訪れ、地方運輸局組織再編案に伴う根室海事事務所の統廃合について説明があったところであります。市といたしましては、その場で存続についての要請を行うとともに、組織再編にかかわる情報提供を要請したところであります。その後、平成14年7月には留萌海運支局など8カ所、平成15年4月には千葉県銚子海事事務所など3カ所が統廃合されたところであります。こうした中、本年6月、北海道運輸局の次長が当市を訪れ、全国15カ所の海事事務所統合計画の最終年次として、平成16年4月1日で根室海事事務所釧路運輸支局へ統合する旨の報告があったところであります。更に8月には、国土交通省として統廃合に必要な予算措置を概算要求したところであります。 この間、当市として、一貫して根室海事事務所の存続に向けた要請を続けてまいりましたが、国土交通省におきましては、省庁の統廃合と出先機関の見直しを進めるという国の方針と、平成12年の行政監察結果に基づく組織再編の勧告から陸運支局と海運支局の統合による運輸支局の設置、職員6人以下の小規模海事事務所を対象に運輸支局への統廃合を計画的に進めております。こうした状況を総合的に検討した結果、根室海事事務所の存続は難しい状況にあると判断したところであります。 このため、漁協など関係団体より意見聴取を行いました結果、統廃合はやむを得ないが、船員法の手続を市が行ってほしい旨の要望がありましたので、地元船員などの利便性を考慮し、船員法の規定に基づき根室海事事務所が行っている業務の一部を法定受託事務として市が受託することとし、今議会において根室市手数料条例の一部改正を提案したところであります。 また、法定受託事務以外の業務につきましては、北海道運輸局から、郵送申請、電子申請、出張による対応など申請手続などの利便性の向上について順次整備したいとの考え方が示されているところでありますが、今後ともこれらの推移を見きわめながら、関係業界の利便性向上対策に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、根室流通センター水産加工業協同組合の破産に伴う関連施設の取得についてであります。 根室流通センター水産加工業協同組合は昭和48年に設立され、国、道の補助を受けて施設を建設し、イワシを原料としたフィッシュミール、魚油などを生産・販売する水産物残渣処理事業、魚体前処理事業を展開し、平成2年度には市の補助を受けて水産廃棄物処理施設を建設・運営しておりました。しかしながら、ミール原料となりますイワシの水揚げ量が激減したため、主力事業であったフィッシュミール事業の売り上げが減少し、平成4年5月には操業停止に追い込まれ、平成5年5月の臨時総会において解散が決議されたところであります。 その後、市としても、事業の再稼働に向け関係団体などと協議を進めてまいりましたが、再開した場合の新たな運営母体が定まらないことなどから、最善の打開策を見出すことができなかったものであります。こうした中、清算法人として換価可能な主要な財産の処分を終えるに至り、8月14日に釧路地方裁判所根室支部に破産を申し立て、9月18日に破産宣告を受けたところであります。破産宣告後、破産管財人が来庁し、11月27日開催予定の第1回債権者集会をもって本事件を終結すること、また、現在残っている建物については破産財団から放棄するとの意向が示されたところであります。 このような状況を踏まえ、破産管財人、市の顧問弁護士北海道水産林務部、水産庁と協議を行った結果、国、道からの補助金で建設された物件が補助目的以外に使用されるのを防止するため、間接補助事業者として適切な対応が求められること、また、港湾用地の保全、更には老朽化による建物倒壊及び残置物による環境汚染防止などのためにも、市として施設を取得して対応することが最善の策と判断したものであります。 なお、購入費59万4,000円については、補正予算として今議会に提案しているものであります。 今後は、市の施設取得による対応策について、国、道に対し説明を行い、市に対する補助金返還が生じないよう要請してまいりたいと考えております。 また、市は破産財団に対して、固定資産税土地使用料、水道料、補助金など、総額で約3億773万円の債権を有しておりますが、そのほとんどが回収が困難な状況にあります。破産管財人からは、2月下旬の債権者集会により破産を終結する予定であると聞いておりますので、この段階でそれぞれの法令に基づいた処理を行いたいと考えております。 次に、茂木内閣府沖縄及び北方対策担当大臣北方領土視察と要請についてであります。 昨日12月15日に、茂木内閣府沖縄及び北方対策担当大臣北方領土視察のため来根されました。道立北方四島交流センターにおいて開催された要望会で、私は根室地方総合開発期成会及び北隣協の会長として、北方領土対策の促進及び北特法の改正について要望しました。具体的な要望内容としては、1つ、強力な外交交渉の推進について、特に日ロ行動計画の重要な柱であります平和条約締結交渉につきまして、強力な外交交渉をすること、2つ、北方領土返還要求運動における後継者育成対策について、特に北方領土教育の推進並びに教育指導者の育成強化に配慮すること、3つ、北特法の改正について、真に効果のあるものとすること、4、内閣総理大臣の原地視察についての4点を重点的に要望したところであります。 これらの要望に対しまして、茂木大臣から、「日ロ行動計画の着実な推進により北方四島の帰属の問題を解決して、平和条約を締結するため努力すること、後継者の育成は今後とも強化すること、隣接地域の振興対策についても充実を図るよう努力することなどについて、誠心誠意努力していきたい」との決意が表明されたところであります。 その後、大臣は、納沙布岬から北方領土の視察に臨まれました。視察終了後の記者会見においても同様でしたが、終始真剣な対応をされていたことが印象に残りました。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  ただいまから議事に入ります。 それでは、日程第1、会期の決定について議題といたします。 お諮りいたします。 本定例会の会期を、本日から12月19日までの4日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(嶋津隆之君)  御異議なしと認めます。 したがって、会期は本日から12月19日までの4日間と決定いたしました。 次に、日程第2、一般質問を行います。 市政全般について質問の通告がありますので、順次質問を許します。 初めに、1番鈴木一彦君。 鈴木君。 ◆(鈴木一彦君)  おはようございます。 通告に従いまして、一般質問を行います。 私の大きな質問の1点目は、電子自治体についてであります。 2001年10月に、総務省が電子政府・電子自治体推進プログラムを発表し、翌年8月、住民基本台帳ネットワークがスタートいたしました。住基ネットについては、我が党の下川議員が昨年の第3回定例会代表質問においてその問題点を指摘し、そのとき市長は、「緊急時には、ネットの切断や一時的な離脱等も考えながら適切に対処する」と答弁されております。今政府が電子政府・電子自治体構想を推進する中、さまざまな個人情報が一極に集中し、民間への漏えいと不正利用の危険性が指摘されているとき、市長のこの立場は非常に重要であり、今後もこの姿勢を貫いていただきたいと思います。 さて、政府の進めている電子自治体構築がどれほど問題点を持っていたとしても、インターネットそのものを否定すべきではないと考えます。19世紀初頭、イギリスで行われたラダイト運動のように打ち壊しても、すなわちインターネットやパソコンの利用を拒否しても、未来は開けないのではないでしょうか。私は、ITの中心であるインターネットは、瞬時に世界的な規模で、だれでもが簡単に情報を交換できるという点において、20世紀の偉大な発明の一つだと考えています。また、どこにも中心点がなく、分散しつつ、穏やかな規則で結ばれ、協調し合いながら、自由参加により日々拡大していくインターネットの特性も、これからの社会にふさわしいものではないかとも考えます。しかし、政府が進めているITを使った情報の一極集中と管理統制は、こうしたインターネットの特性に真っ向から反したものです。人類の宝であり、共有財産である技術の使い方が根本的に間違っていると言わざるを得ません。こうした点を踏まえ、真にインターネットの特性を生かした、市民の、市民による、市民のための電子自治体としての根室市を実現するために、以下2点にわたって市長にお伺いいたします。 1点目は、根室市の自治体構想についてであります。 前段述べましたとおり、政府が進めている電子自治体構築により、全国の自治体が、そのよしあしはともかく、電子化に向けて取り組んでいるところであります。当市においても当然取り組まれているわけですが、市民にとってはなかなか見えにくい、わかりづらいところでもあります。当市の電子自治体構想が、現在どのような状況であり、また今後どのような構想のもとにこれを推進していくのか、お伺いいたします。 次に、個人情報の保護についてであります。 個人の情報は、それが電子自治体であろうとなかろうと、当然保護されなければならないものであります。個人情報保護の問題がここ十数年の間に急激にクローズアップされた背景には、情報のコンピューター管理が進むと同時に、ハッカーやコンピューターウイルスなどにより個人の情報が盗まれたり改ざんされたりするという、過去には考えられなかった新手の犯罪が増加したことがあります。もちろん、ハッカー対策ウイルス対策はさまざま行われておりますが、それらは常にイタチごっこであり、絶対ではありません。現に、警戒が非常に厳重なはずのアメリカ国防総省コンピューターでさえハッカーの侵入を受けているほどです。ましてや根室市の場合、職員個人所有のパソコンも庁内で使用されているわけですから、より一層の対策の強化が求められると考えます。 こうした中、個人情報の保護については、多くの市民が関心を持ち、同時に不安を感じているところであります。根室市として、市民の重要な個人情報の保護についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 質問の大きな2点目は、生活環境整備についてであります。 当市の生活環境整備は、市道の舗装率が全道で30位以下と大変おくれている状況です。また、街路灯の設置についても、要望は上がってもなかなか実現しません。市の財政が今大変厳しい状況にあることは重々承知しておりますが、であればこそ事業の取捨選択を行い、特に重要港湾整備総合運動公園整備などは徹底的に見直し、市民要望の大変強い市道の整備や街路灯の設置を積極的に行うべきではないでしょうか。 まず、市道の整備についてお伺いいたします。 今、根室市の市道の状況は、市道に認定されたものの未舗装であったり、あるいは防じん対策として簡易舗装されたものの雨水対策が不充分であったり、一冬越せばがたがたになったりと、大変劣悪な状況にあることを指摘しなければなりません。もちろん職員の皆さんは市民から要望があれば、市道はもちろん、たとえ私道であっても、砂利を入れたり、グレーダをかけたり、きめ細かく除雪を行ったりと大変努力されております。しかし、さきの決算委員会で我が党の神議員が指摘したように、既に砂利をまく予算すらなくなる状況となれば、やはり根本であるところの道路整備をしっかりと行う。しっかりと舗装し、雨水対策も施すということをしなければ、毎年同じことの繰り返しになるのではないでしょうか。市道の舗装整備と雨水対策の積極的な推進を求めますが、市長の見解をお聞きいたします。 次に、街路灯の設置についてであります。 当市は、その地理的条件から日没が早く、また霧も濃いことなどから、他の自治体と比較しても街路灯の必要性は大きいと考えます。しかし、町会などで市に設置を要望しても、場所によっては1年から長くて2年も待つ状態であります。大変残念なことですが、日本の安全神話が崩れ、凶悪な事件・犯罪が、大都会だけでなく全国各地で起きるようになりました。街路灯の設置を要望する市民は、その場所が暗くて危険であると感じるから要望するのであります。事件が起きてからでは遅過ぎるわけです。市民の安全を確保する意味でも、積極的な街路灯の設置を求めますが、市長の見解をお聞きいたしまして、壇上からの質問を終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  鈴木議員の御質問にお答え申し上げます。 まず最初は、根室市の電子自治体構想についてでありますが、国は平成13年1月、e-Japan戦略により5年以内の世界最先端のIT国家の樹立を宣言し、同年10月、総務省が発表した電子政府・電子自治体推進プログラムにより、地方公共団体の電子化に向けての作業項目及びスケジュール等が明確となったところであります。加えて14年6月の「e-Japan重点計画2002」において加速・前倒しに取り組むこととなり、自治体に対しても、国に歩調を合わせるよう強く求められているところであります。このため当市においては、電子自治体の構築に不可欠な基盤整備として、住民基本台帳ネットワークシステムへの接続による第1次サービスの開始やICカード発行業務等の第2次サービスの開始、また現在、行政機関相互を専用回線で結ぶ総合行政ネットワーク、いわゆるLGWANへの接続、インターネット上での本人確認手段としての公的個人認証サービスの開始に向けた準備作業を進めております。 現在の社会は、行政サービスの質の高さや情報化の進んでいることが地域の魅力の重要な要素となっており、先般実施の市民及び事務所アンケートにおいても、情報化の推進を求める市民の意見が寄せられているところであります。このような状況を踏まえまして、すべての市民が今日の高度情報化社会の利便性を活用できるよう、情報通信基盤整備をはじめとして、市民生活、産業活動、行政等さまざまな分野の情報化を計画的に推進するため、さきに答申をいただいた根室市地域情報化計画策定懇話会からの提言を踏まえまして、今年度末をめどに根室市地域情報化計画を作成し、電子自治体構築に努めてまいります。 次に、個人情報の保護についてでありますが、近年、高度情報通信社会の進展に伴い、パソコンやインターネット等の目覚ましい普及が社会生活に大きな利便をもたらし、情報が大量かつ高速・広範囲に処理され、個人情報の利用が著しく拡大される中で、個人の人格に密接かかわる個人情報が不適正に取り扱われたり、プライバシーをはじめ、個人の権利・利益が侵害されることのないよう、情報の保護のあり方が一層重要視されているところであります。このため当市は、平成11年4月根室市個人情報保護条例を制定し、個人情報の適正な取り扱いと権利・利益の保護に努めているところであります。本年2月には、現在問題化しているハッカーやコンピューターウイルス等によるデータの破損及び窃取等の外部からの脅威や、個人情報の流出及び不正アクセス等の内部から発生する問題等に対応するため、根室市役所庁内LAN接続に関するガイドラインを定めたところであります。具体的には、市のネットワークに接続する公共設置のすべてのパソコンにコンピューターウイルスの防止対策を施すとともに、暫定的に公用に使用している個人所有のパソコンにつきましても一部の業務のみに制限し、公的設置パソコンと同様の対策を講じております。 更に、本年11月には、市の保有する情報資産の機密性、完全性、可用性──可用性というのは、許可された者が情報に接続できることを確実にすることでありますが、この機密性、完全性、可用性を維持するための基本的な事項を定めた根室市情報セキュリティポリシーを策定し、市民の財産及びプライバシーの保全に努めているところであります。 また、職員に対する研修の実施や関係法令遵守の周知徹底を図り、今後とも個人情報の保護に万全を期してまいりたいと考えております。 次に、生活環境整備についてであります。 初めに、市道整備についてでありますが、当市における市道整備状況は、改良率が42.1%で、道内33市中30位、そのうち、舗装率36.1%は31位となっており、全道平均の改良率66.2%や舗装率58.5%と比較した場合、低い状況にあります。当市では、昭和53年当時舗装率が7.5%と低く、市道整備に対する市民要望が非常に強かったことから、昭和54年度より全市的に簡易舗装整備に積極的に取り組んできたものであり、平成13年度末では本舗装に簡易舗装を含めた整備率は64%となっております。しかしながら、この簡易舗装はいわゆる暫定的防じん処理でありますことから、雨水対策の側溝整備や路盤改良を施していないため、交通量の多い道路等では凍上などの原因による春先の路面の盛り上がりや破損等の損傷、また水たまりや雨水の家庭への流入などが多く見られ、これらの路面修復や雨水処理等を中心に道路維持補修に努めているところであります。 現状における市民要望は、市街地では道路改良舗装や側溝新設等が主なものであります。一方、交通量の少ない郊外地では簡易舗装の整備が求められております。これら整備を図るため多額の事業費を必要とすることから、現在の逼迫した財政事情を考えた場合、短期間において要望の多くを実施することは極めて困難な状況にあります。しかし、市街地においては緊急度や地域の特性、投資効果等を充分考慮しながら整備路線の優先度を設けるなど、舗装改良と雨水対策を主体とした舗装事業を中心に効率的・効果的な準備に努め、補修費の軽減を図ることとし、また交通量の少ない郊外地などでは、交通量や凍上などの影響等も考慮しながら簡易舗装について計画的に進め、市民要望に対応してまいりたいと考えております。 次に、街路灯の設置についてでありますが、当市では夜間における交通の安全と円滑化を図るため街路灯を設置しており、現在その設置灯数は2,642灯となっております。この内訳は、本年度までに町会から移管された街路灯1,264灯、市が設置した街路灯1,378灯であります。市管理の街路灯増設については要望も多いことから、今後とも基本的には年次計画によって、原則市道を中心に道路照明施設設置基準に基づいて設置する方向で考えております。しかし、近年、設置灯数の増加に伴う電気料や老朽化による更新経費などの維持管理経費が増嵩傾向にあるため、現在の財政事情を考えますと、当面、必要最小限の範囲内で整備してまいりたいと考えております。 また、私道への設置分に関しましては、原則として設置者の負担においてなされるべきであると考えておりますが、私道であっても交通量が多く、事故多発地帯であることなどの状況等を見きわめながら、市管理について検討してまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(嶋津隆之君)  鈴木君。 ◆(鈴木一彦君)  御答弁いただきましたので、自席から何点かにわたって再度質問させていただきます。 まず、電子自治体構想についてでありますけれども、御答弁の中で現在の根室市の電子自治体構築に向けての取り組みとして、住基ネットへの接続、ICカードの発行、LGWANへの接続、公的個人認証サービスの準備など挙げられておりました。今後については、情報通信基盤整備ということについて挙げられておりましたけれども、そのほかについては、今年度末をめどに地域情報化計画をまとめるという答弁であったかと思います。その中で、情報通信基盤整備について一言申し上げたいと思います。 情報通信基盤整備、いわゆるインフラ整備でありますけれども、これは電子自治体を構築する上で、情報共有の平等という点で行わなければならないものだと考えます。そして今現状としては、地域によっては、例えばADSLが使えたり使えなかったりと不平等な状況になっております。現在、こうしたインフラ整備を進めているのはNTT、すなわち民間企業でありますから、基本的には利益の上がることしかやらないわけです。そうであれば、例えば納沙布岬の先端までADSLあるいは光ファイバー通信が、実際NTTがそこまでインフラ整備をやるかというと、大変疑問に思います。しかし、ただでさえ財政が厳しい自治体がこうしたインフラ整備を行うにしては、大変負担が大き過ぎるということでありますから、国に要望するなり何らかの対策が必要となると考えます。いずれにしても、情報共有の平等に基づき地域格差を解消するためにも、こうしたインフラ整備については、推進すべきであるということは一言申し上げたいと思います。 お聞きしたいのは、自治体構築、今後に向けて市の独自性というものをどのように打ち出すかということであります。 現在、国が電子政府・電子自治体を推進するためにいろいろな政策を行っておりますけれども、市といたしましては、国が掲げる項目を一律にシステム化するのではなく、根室市独自の電子自治体の構築、市民が本当に必要なもの、市民にとって有用なものを取捨選択してシステム開発すべきであると考えますが、この点について市長の見解を求めます。 次に、個人情報の保護についてであります。 条例の制定や職員への指導、あるいはウイルス対策など、ハード面、ソフト面、両面でできる限りの対策はとられているというふうに思いますけれども、壇上で私申し上げましたとおり、こうした対策というのは常にハッカーやウイルスとのイタチごっこであります。このコンピューターの世界にあって、完全とか絶対という言葉はあり得ないわけです。 日本共産党は、常に住基ネットからの離脱ということを主張しております。その立場は今も変わりませんけれども、現在根室市が現状として住基ネットに接続している今は、個人情報、市民の大切な情報の保護を行うために細心の注意を払い、危機管理能力を高めて業務に当たっていただきたいと思います。 さて先般、国民健康保険加入者に対し、「コンピューター健康診査」というアンケート調査が実施されました。これはコンピューター処理されるということですが、これには住所、電話番号、氏名、生年月日はもちろん、身長、体重、妊娠、病歴など、プライバシーにかかわる個人情報が多く含まれる内容となっております。このアンケートそのものの内容や実施方法については別の機会に議論するといたしまして、ここではあくまで個人情報の保護という観点でお聞きしたいと思いますけれども、といいますのも、このアンケートを受け取った市民の方が、こうした他人に知られたくないような情報がコンピューター処理されることに、大変強い不安を感じているからであります。今後も市は、さまざまなアンケート調査を行うことと思いますが、事、個人情報に関する事項については、回答者である市民への配慮として、個人情報がこういう形で保護されますという説明を行うとか、あるいは個人情報に関するアンケートはコンピューター処理を行わないということも含めて検討すべきではないかと考えますが、この点についての市長の見解をお伺いいたします。 次に、生活環境整備についてであります。 財政が大変厳しく、道路整備にしても、街路灯設置にしても、必要最小限で行っていくというような回答であったと思いますけれども、やはりですね、であればこそ、壇上でも申し上げましたが、むだ遣いをやめるということが非常に重要ではないかと考えます。国や自治体の予算、決算というのはよく新聞等でも、家庭の家計簿に例えられて説明されますけれども、家計が赤字になったときに主婦が家計簿を見て最初に考えるのは、むだ遣いがないかどうか。そしてむだ遣いをなくして、なお赤字であれば、食費や教育費などの生活費、必要経費をできるだけ減らしていくということが行われるわけです。当市の場合、このむだ遣いの削減が本当に行われているかといえば、私は疑問に思うわけで、もっと徹底的にやれば、壇上でも申し上げました総合運動公園や重要港湾整備、私はこれ要らないとは申しません。ただ、本当に今すぐ必要なのか。これは差しおいても、市道の整備や街路灯の設置などを優先すべきではないかということを言いたいわけです。市財政全般にわたっては、この後、下川議員も市財政について一般質問取り上げますので、この点については譲りますけれども、市道整備、街路灯設置が必要不可欠であるということを強調したいわけです。 私は、さきの第3回定例会の一般質問でユニバーサルデザインについて取り上げました。市長もそのとき、ユニバーサルデザインの考え方に賛同してくれたと覚えております。これを道路行政に当てはめれば、車いすを使う障害を持つ方も、お年寄りも、小さな子供も、だれもが安心して通行できる道路であることが必要なわけです。そのためにも、未整備の市道の舗装あるいは街路灯の設置というはぜひ実現すべきだと考えますが、改めて市長の見解を求めます。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  鈴木議員の再度の御質問にお答え申し上げます。 まず最初は、電子自治体の考え方についてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、電子自治体の推進につきましては、地方公共団体においても国と歩調を合わせるよう強く求められているところであります。このため、当市においては昨年度より電子自治体の基盤であります住民基本台帳ネットワークサービスをスタートするなど、現在その準備作業を進めているところであります。今後の電子自治体構築に当たっては、さきに実施いたしました市民及び事業所へのアンケート調査や根室市地域情報化計画策定懇談会からの8項目にわたる提言等を踏まえまして、8項目にわたる提言というのは、情報の内容や提供手段の多様性の確保に努めることなど、もちろんその中にはセキュリティ対策に万全を期することなども入っておりますが、これらの提言を踏まえまして地域情報化計画を策定し、市民が求めております電子自治体の構築に努めてまいりたいと考えております。 次に、個人情報の保護についてであります。 市が行います各種アンケート調査につきましては、市の調査の目的や個人のプライバシー保護など、回答者への配慮についての事前の説明等が全庁的にいまだ徹底されていない面もございますが、回答をいただいた調査票などの取り扱いについては、根室市個人情報保護条例や関係法令等の遵守・徹底を図り、万全を期してまいりたいと考えております。 今後の調査に当たりましては、市民の皆様が安心してアンケート調査に協力していただけますよう、鈴木議員御指摘の点について徹底してまいりたいと考えております。 次に、市道の整備に関連しての各種事業の取捨選択等についての御意見等がございましたが、事業選択にかかわる私の考え方についてでありますが、これまでも市民の目線に立って、事業の緊急性、必要性など総合的な判断のもとで事業の選択を行ってきたところでありますが、今後とも熟度やその必要性などを充分勘案しながら、市民本位の事業選択に意を用いてまいりたいと考えております。もちろん道路整備、街路灯設置等についても、こうした考え方等のもとに実施してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  鈴木君。 ◆(鈴木一彦君)  電子自治体についてですけれども、最後に今後計画を進めていくということでありますから、市民の広い意見もお聞きになって進めていくということだと思います。私も、この場所から何点かにわたって提言を申し上げたいと思います。 まず1点目については、住基ネットからの離脱というのをまず前提において、個人情報については分散化を図り、その保護の徹底を図るということをぜひ要望したいと思います。また、情報共有の平等のためにインフラ整備は推進していくということ。そして、今後電子自治体が進んでいくわけですけれども、電子申請だけでなく従来ある窓口、電話、対面、あるいはホームページなど多様な手段を充実させて、市民と行政とのつながりをしっかり持っていただきたいということ。そして、インターネットは、行政への市民参加と市民への情報公開の道具として大いに活用していただきたいということを、ぜひ今後の電子自治体構築の参考にしていただければと思います。 一方的に提言いたしましたので、もし市長の方で何かあればお答えいただきたいと思いますが、なければ特に答弁は問いません。 以上で終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  次に、3番神忠志君。 神君。 ◆(神忠志君)  通告に基づき、一般質問を行います。 第1の質問は、漁業・水産業振興の方向についてです。 根室の漁業は、戦前は千島周辺海域での豊かな漁業資源に恵まれ、また戦後も、歯舞、色丹と千島周辺海域を失ったものの、日ソ間の漁業協定などによって豊穣な漁業資源を活用した安定的な発展を約束されてきました。当然のごとく、多くの水産業界がその豊かな水産資源によって、高度加工技術に頼らなくとも順調な経営が成り立ってきたのが実態ではなかったかと思います。しかし、200海里設定以来、沖合漁業は撤退に次ぐ撤退を強いられ、根室市の漁業はわずかに残された春鮭鱒、裏作から主役となったサンマ漁業、沿岸昆布漁等を主要な魚種として地域経済を維持するものとなりました。今後とも対ロ漁業の先行きが、根室市のまちづくりに大きな要素を占めることは言うまでもないことであります。 また、日本政府が本腰を入れて、漁業者が生きがいの持てるような水産基本法を具体化した漁業振興策を確立することが、今切実に求められています。しかし同時に、現在の漁業環境は、輸入自由化などのもとで魚価が急落、とりわけことしサンマ、アキサケ、ホタテなどの価格の低迷が著しく、漁業経営への影響は深刻の度を一層増大させるものとなっています。この厳しい環境下でも自主・自立的まちづくりの方向として、水産食品加工基地化構想を確立してしぶとく生き残りを図る。そのために今市として何が求められているのか、その具体化がますます必要な時期を迎えたと考えます。 例えば、春鮭鱒のうち、貴重品となったベニザケはともかく、シロザケやマスに付加価値をつけて、その魚価を高め、持続できる春鮭鱒漁業を確立することが必要となっています。漁獲方法と製品管理、春鮭鱒のうまさのPR、より消費者に訴えるネーミングの工夫等による市場努力と春鮭鱒イベント開催の検討など、多様な春鮭鱒売り込み戦略が必要ではないかと考えます。 また、サンマ漁業に見られるような紫外線免菌装置導入などによる鮮度保持技術などをより一層高め、もともとブランドである根室の魚のイメージアップを図る。そのための対策と施策の方向性を明確に打ち出すべきと考えます。市長の見解を伺うものであります。 更に、これらの魚種の市場努力による魚価アップ戦略と水産加工技術の一層の工夫、価格の低迷している昆布資源をもっと有効に活用する水産加工振興のあり方と方向性を、業界と一体となり明確にしていくべきではないでしょうか。藤原市長の見解を伺うものであります。 第2の質問は、領土問題にかかわる諸問題についてです。 その1つは、人道支援と元島民への支援のあり方についてであります。 いわゆる四島支援事業は、91年のソ連崩壊、94年の東方沖地震による生活基盤や生活環境が極端に悪化した四島に対して、まさに人道的立場から医療品や食料品を送ることから始められました。しかし、年を経るごと、人道支援が領土返還運動を促進するとして、診療所、発電所、自走式はしけ建設など、総額100億近くの支援を次々と拡大、人道支援事業の本来目的から大きく逸脱する内容に変質しました。ずさんな支援事業が明らかになる中で、国際機関である支援委員会が廃止され、ことしから支援事業は紆余曲折を経て、千島歯舞居住者連盟にその任が引き継がれての再出発となりました。 今年度は、抗生物質を含む医療品や医薬品、食料品など、1,000万弱の物資を届ける予定でありましたが、いまだにそれが実施されておらず、宙に浮いた状態となっています。元島民などの間から、災害時の緊急支援はともかく、ギドロなどの企業が経済力をつけつつある状況の中で、人道支援が本当に今必要なのかとの疑問の声が上がるのも当然であります。人道支援事業は、既にその役割を終えたのではないかと考えます。また、ことしの人道支援事業がなぜ実施できないのか、領土返還運動の原点の地として外務省に明快な説明を求めるべきだと考えますが、市長の見解を伺います。 次に、元島民に対する支援策についてであります。 小泉政権のもとで、北方領土問題は政治的に大きく後退しているというのが、地元根室市民の多くの実感です。今の環境のもとでは、元島民を中心とする地元の返還運動はその先行きが見えず、疲労感と焦りの気持ちを超えて、あきらめの気持ちが支配的となる危機的な状況にあるのではないでしょうか。戦後60年近くにわたり返還運動の先頭に立ってきたこれらの人たちが、返還運動への情熱を燃やし続けるとともに、この運動を次世代にしっかり引き継ぐためにも、元島民の皆さんなどへの具体的な支援策が政府みずから示すことこそ、何よりも返還運動関係者へ希望と勇気を与えることにつながるものと考えます。市行政が、それを積極的に求めるべきではないかと考えます。市長の考えを伺います。 この項目での質問の最後は、領土未解決に伴う財政措置をめぐる諸問題であります。 いわゆる北特法改正問題は、国の三位一体改革の影響をまともに受けて、全く後勁に追いやられたというのが実態であります。今の小泉政権には、領土問題未解決が何の政治的位置づけもない、こう受けとめるのは私一人だけではないと思います。市長が改めて、領土未解決問題に政府がどう取り組むのか明確な説明を求め、また、いわゆる北特法改正について、どう政府が対応しようとしているのかについても、市長の見解を伺います。 第3の質問は教育行政についてです。 その1つは、学校教育についてです。 現在学校教育は、学校週5日制をはじめ、学力問題、子供たちに深刻な形であらわれている社会的道徳の危機など、さまざまな課題を抱えています。その学校教育の困難さは、学校現場のおかれている現状に対する国などの教育条件整備のおくれに、大きな原因の一つがあります。今、1学級に3ないし6%の有病率とも言われているLDあるいはADHD、多動性障害児の自立や社会参加について、文科省は、個々の教育ニーズを把握し、適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うという特別支援教育へ転換する方針を明らかにしました。しかし、こうした障害を持つ子供たちの指導に対する専門性の強化が言われる中で、文科省は機構改革に伴う人事や教職員の定数問題など、教育条件の整備が大きくおくれています。文科省や道教育委員会は、その具体的教育条件整備を直ちに行うべきと考えます。早急な教育条件整備が必要であります。市教育委員会の取り組みと文科省などへの働きかけについて、教育委員会の考え方をお聞かせください。 質問の最後は、博物館問題についてです。 藤原市政が誕生した6年前、博物館建設は、市独自での博物館建設から道立博物館へと大きく方針を転換しました。その後、道の財政が厳しくなる中で、道立博物館建設構想は一向に進展せず、事実上根室市は博物館建設を断念したと思われる状態が続いてきました。この問題の進展は現在どうなっているのか。また、博物館問題について、一定の市としての判断をすることが求められていると思います。当面、どう対応していくのか明らかにすべきと考えます。教育委員会の考え方を伺います。その上で博物館建設指定寄附への具体的な対応も、今の時点で必要になってきているのではないかと考えますが、その見解を伺って、壇上からの質問といたします。
    ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  神議員の御質問にお答え申し上げます。 まず最初は、水揚げされる各魚種の価値を高めるための取り扱いの方向性についてでありますが、根室における産地卸売市場は、5月から始まります沖合サケ・マス漁、7月から10月にかけてのサンマ漁、8月下旬からはアキサケ定置網漁、そして春と秋のホタテ漁、更に冬期間のタラ漁と、年間を通じ切れ目の少ない、国内でも有数な水産物卸売市場であります。また、水揚げされる各魚種の取り扱いについては、古くから漁業者をはじめ、市場関係者、水産加工業者、保冷車150台以上を有する運輸業界などの協力と連携のもと、根室産水産物の最大の長所であります鮮度の高い魚介類を、スピーディーに流通させることを最重点として取り扱いを進めてきたところであります。 こうした中、昨年市としても国の緊急地域雇用対策特別交付金事業を活用し、根室の市場に水揚げされる春鮭鱒、サンマ、アキサケ、タラ、カレイなどの主要魚種の温度測定及び細菌検査データの収集事業を1年間にわたって実施したところであります。この魚体温度測定結果を見ますと、根室の産地市場での温度管理の達成率は、春鮭鱒及びタラではほぼ100%達成し、サンマでは96%、アキサケで89%、カレイで79%と、管理マニュアルをスタートさせた年としてはまずまずの結果であり、今日まで培ってきました卸売市場のレベルの高さをうかがい知るものであり、今後の鮮魚の取り扱いの方向性が明確になったところであります。 また、新たな取り組み事例として、歯舞漁協所属のサンマ船団による紫外線殺菌装置やフローアイス冷却システムの船体設置に見られるように、漁業者みずからがブランド化に向け積極的に取り組んできており、根室における生鮮水産物の取り扱いも一層レベルアップしているものであります。こうした中、平成11年のJAS法の一部改正に伴います生鮮食品に対する原産地表示、いわゆる生産水域名の表示の義務化がうたわれ、産地にとって最大の好機となったところであり、今後他地域、他産地との差別化を図っていくためにも、現在根室市水産HACCP推進協議会が一丸となって取り組んでおります「根室市水産物品質及び衛生管理マニュアル」の対応指針に沿った着実な取り組みを実施してまいります。 次に、漁業と一体となった加工振興の方向性についてでありますが、根室の水産加工は、地元で水揚げされます豊富な魚種と大量の水揚げによる鮮魚及び塩蔵品などを中心とした1次加工品や輸入ベニザケ等を利用したサケフレークなどの高次加工品の製造・販売を行い、その結果、市内に約百十数社からなる水産加工場群が集積されてきたところであります。しかし、水産加工業の出荷量に対する高次加工製品の割合は全体の2割弱にとどまっており、まだまだ1次加工品を扱う加工場の比率が高い状況にあります。 神議員お話しのとおり、ことしの根室の水揚げされた主要魚種の多くが、例年になく魚価が低迷し、その平均単価は、根室の主力魚種であるサンマでは前年対比約50%も減少し、またアキサケでは約20%の減少、ホタテにおいては約40%も減少したものであります。魚価低迷の原因については幾つかの要因があろうかと思いますが、主な要因としては、水産物の供給量の増加や長引く不況による消費の落ち込み、更に若年層の魚離れなどが考えられております。 一方で、魚価低迷は、高次加工を主とする水産加工場にとって一つのビジネスの好機であり、いわゆる多獲性魚種を加工原料として付加価値加工品の開発、試作及び商品化の取り組みはこれからの加工振興の重要な課題であると認識しております。水産加工振興センターでは、平成13年度より今まで培ってきた275品目の試作品の中から、今後は根室で大量に水揚げされます多獲性魚介類にウエートを置いた試作・研究への取り組みを実施することにいたしました。このことから、市としても、大量に水揚げされる多獲性魚介類や価格の低迷した魚種について、今後とも付加価値を高めた新製品の開発や商品化の支援を積極的に推進してまいりたいと考えております。 また近年、対ロ漁業の規制が強化される中、加工原料となる漁獲量が減少し、水産加工業における原魚の確保は今後の加工振興を考える上で重要な課題であると考えており、そのことから本年7月に実施したセベロクリリスク姉妹都市代表者会議の中で、市として、商工会議所、水産協会に呼びかけベニザケの輸入について協議を行ったところであり、本年は不漁であったため実現しませんでしたが、来年度以降も引き続き、この実現に向けて積極的に推進してまいりたいと考えております。 次に、ロシアへの人道支援についてであります。 北方領土への人道支援につきましては、91年ソ連邦の崩壊に伴い、四島在住のロシア人が厳しい環境下に置かれ大きな影響を受けたことにより、政府は人道上の観点から行ってきたものであります。本年3月、ロシア支援委員会の廃止に伴い、これまで北方四島との交流実績があります千島歯舞諸島居住者連盟がその業務の一部を担うことになったものと承知しております。私は、この人道支援のあり方については、領土問題の解決を促進するためには、ロシア国内はもとより北方四島に住む住民の意向が重要な要素であると考えており、その支援内容につきましては人道上の配慮から、生活が困難な家庭、老人・子供・病人など社会的弱者が公平な支援を受けられることを基本にしていくべきと考えております。 なお、本年の支援物資については既に調達済みと承知しており、その搬出のおくれについてはロシア側の手続上の問題からと聞いております。現在、千島連盟が外務省と協議を重ねているところであり、私といたしましては、早期にスムーズな実施を期待するものであります。 次に、元島民への支援策についてでありますが、御承知のとおり、国においては北方地域の元島民や旧漁業者に対しまして、昭和36年から現在の北方領土問題対策協会を通じ、10億円を原資として漁業などの事業資金や生活のための資金など、低利の貸付融資制度をもって元島民の生活の安定を図っているものであります。更には、昭和57年に制定されました北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律、いわゆる北特法第10条の北方領土隣接地域振興基金運用益での元島民の援護等の事業が位置づけられており、これまでは千島連盟各支部に相談員を配置し、元島民が安定した生活を営むための支援策を講じているところであります。 また、財産権の不行使に対する補償等を国に求めておりますが、他との均衡から困難との判断が示されているなど、遅々として進展していない現状にあります。このため本年5月、千島連盟根室支部で元居住者の権益問題等検討小委員会を設置し、具体的な支援要望の内容についての検討を行っているところであり、慰労金や見舞金による補償や返還運動を続けるための支援などの意見が出されておりますが、いまだその結論に達していないと承知しております。 私といたしましては、これまでも元島民に対する援護措置の充実につきましては、根室地方総合開発期成会や北隣協において要望しておりますが、今後ともその実現に向けて千島連盟と連携して国に対して要請してまいりたいと考えております。 終わりに、北特法改正要望の今後の進め方についてでありますが、当市は北方領土問題が未解決であることにより、その望ましい地域社会の発展を著しく阻害されているという特殊な事情のもとにおかれていることは御承知のとおりであります。このことから、昭和57年に議員立法として制定されました北特法は、その後20年が経過し、その間、本法律に規定されている優遇措置は充分機能していない現状にありますことから、本法律を真に効果のあるものに改正していただくよう北隣協並びに市議会の皆さんとともに、衆参の沖縄及び北方問題に関する特別委員会などに対して要請を行ってきたところであります。現在国においては、三位一体の改革に伴い国庫補助負担金の廃止・縮減の基本的方向が示されており、このような状況のもとでは、たとえ法律上の特例地域でありましても、その改正や国庫補助負担率の引き上げは難しい状況にあると認識しております。 一方、北特法第10条に規定されております北方基金の運用益は市場金利の低下等により、当初見込みの3割程度となっていることは御承知のとおりであります。この漸減対策につきまして、国において予算化していただくよう要請してきたところでありますが、現在内閣府北方対策本部並びに国土交通省北海道局において御検討いただいているところであります。 私といたしましては、北特法は北方領土問題未解決に対する国としての特別措置法であり、本法律を真に効果のあるものとするため、第7条の国庫補助負担率の引き上げにつきましても、今後とも引き続き粘り強く訴えてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  渡辺教育長。 ◎教育長(渡辺好之君)  神議員の御質問にお答えしたいと思います。 初めに、多動性障害児、ADHDへの取り組みについてでありますが、近年全国的な課題となっており、現状におきましては性格的なものなのか、障害なのかの判断が大変難しく、当市にありましてもこのような症状を持つ児童・生徒がふえつつあり、学校はもとより家庭におきましても指導方法や養育など、その対応に苦慮しているのが実情であります。 また、学校での取り組みといたしましては、障害を持つ児童・生徒の大半は通常学級に在籍し、特殊学級との交流を図ったり、個に応じた改善策を教職員や他の児童・生徒の理解を得ながら、特別な教育支援に一丸となって対応しているところであります。 特に根室市障害児教育サークルや根室管内障害児教育研究会などが、先生方みずからが学習会を実施したり、専門家を招聘して障害児教育の研さんに努め、この課題に向け積極的に取り組んでいるところであります。また、適正な判断を必要とする場合、北海道立児童相談所や北海道立特殊教育センターによる巡回相談、北海道立地域療育センターなど指導機関との連携を密にしているところであります。 教育委員会といたしましては、就学前児童にあっては母子通園センター、就学児童・生徒にあっては就学指導委員会との連携により適正な対応に努めているものであります。今後におきましても、障害児教育の研さんのため、研修への参加や学習会の支援につきましては、できる限り努力してまいりたいと考えております。 次に、国の具体策についてでありますが、平成15年3月、「特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議」から特別支援教育のあり方に関して文部科学省に報告がされたところであります。その内容でありますが、障害の程度に応じた特別の場で指導を行う特殊教育から、通常の学級に在籍した上で必要な時間のみ特別支援教室の場で、障害のある児童・生徒に一人一人の教育ニーズに応じて適切な教育支援を行う特別支援教育へ転換を図るというものであります。この基本的な方向と取り組みとして、1つ目、特別支援教育のあり方の基本的な考え方、2つ目、特別支援教育を推進する上での学校のあり方、3つ目、特別支援教育体制を支える専門性の強化の3点が示されたところでありますが、現時点では特別支援教育にかかわる具体的内容は示されておりません。 いずれにいたしましても、担当教員や設備等のみで対応するのではなく、学校内教職員全体の理解の促進と支援体制の確立、また短時間勤務の教員の活用を含めて総合的な見地から取り組んでまいる必要があると考えております。 次に、博物館の建設についてでありますが、教育委員会は平成11年に博物館建設審議会の了承を得て、市立博物館構想から道立博物館建設要望へと政策を変更し、それ以来、北海道教育委員会に対して4度にわたる要望を行っております。要望に当たりましては、北方領土を擁する根室地区は、日本北方史の中でも一時代を画すユニークな歴史と、たぐいまれな自然を持つ地域であることから、これらを調査研究し、広く国内外に情報を発信する機能を有する総合博物館の設置について特段の配慮をお願いしているところであります。これに対して北海道教育委員会からは、「遠くは先史時代から交流があったと言われている根室と千島の歴史や自然についての学習や調査研究を行うことについては、大変意義のあることと考えております。しかしながら、御承知のとおり、現在道の財政状況は非常に厳しい状況にあり、要望のありました仮称根室千島博物館の道立建設については難しいものと考えております」との回答を得ております。 教育委員会としましては、長年の要望の末、道立博物館を実現した例もありますので、今後とも粘り強く要望を続けてまいりますが、このように北海道教育委員会の回答には依然として厳しいものがあり、道立博物館実現への取り組みは長期にわたることを予想しております。このため、現状においても可能な限り市内外の学習要望に応えつつ、博物館設置への世論喚起を図る必要があると判断し、現在資料保存センターの充実を図ることなど、その具体的な方策について種々検討しているところであります。 また、具体策の内容によっては多少の資金が必要になりますが、御承知のように、当市は今大変厳しい財政状況にあります。場合によっては、博物館建設基金の活用につきましても視野に入れる必要があると考えておりますが、その際には、この基金のため、当市に浄財を寄せられた方々の意向を充分に踏まえることが大切であると考えております。 ○議長(嶋津隆之君)  神君。 ◆(神忠志君)  何点か再質問させていただきます。 最初に、漁業、水産問題です。 特にサンマ祭りが行われる、カニ祭りが行われるということで、根室のブランドであるカニやサンマというのは、一定のPRができているというふうには思います。しかし、春鮭鱒、これの差別化をもっともっとしていくべきではないかというふうに思います。 先ほど市長からお答えあったように、鮮度の保持が非常に良好な状態で行われているということありました。私は、鮮度の高い旬の魚を食べるというのが、最も魚のうまい食べ方だというふうに思います。そういう点で今根室の取り組み、景気浮揚対策の一環としてやった魚の温度測定など、これがいずれも非常に取り扱いとして良好だという結果が出たわけですし、そのこと、そのもののPR、それから春鮭鱒のうまさのPRをもっともっと行う。そのために春鮭鱒の名前ですね、ただ単なるサケだとかマスだとかって呼んでいるんではなくて、ネーミングについて一工夫してみてはどうかというふうに思いますし、また春先、長い冬が過ぎて、ようやく5月、6月に入って春鮭鱒が始まるわけですが、その時期にイベント的なものがないわけでありますから、その時期にひとつ考えてみることも必要ではないかなというふうに考えています。その点どうなのか。 それから、先月、花咲港の商店で買い物に入りましたら、花咲港は、御存じのようにサンマが日本一という状況が6年間ですか、続いていると思います。その花咲港の商店で、私ある商品を見つけたんです。こういう商品なんです。このパックに魚が、サンマが2本入っていて、100円で売っていました。2本で100円。なかなかいいんですよ。「安心・安全。純国産。鮮度を食う。天日寒風干し」と書いてあるんです。このサンマですね。ああ、なかなかいいなと思って、ひょっと、どこでつくられたのかと見ましたら、宮城県女川産って出ていたんです。私、これを見てちょっと愕然としたんです。日本一のサンマの水揚げの花咲港のお店で、2本100円の寒風干しのサンマが、女川産のが売っていると。ある意味では、根室の今の水産加工のあり方を象徴したものでもあるなということを強く感じました。こういうものに入っていると、においがしませんから、多分大きな消費地に行っても、昼休みにちょっと買って、かばんの中にしまっておいて、帰りに持って帰るということができると思うんです。サンマはそのままだと帰りにも、電車に乗るのも大変だと思うんですよ。そういうちょっとした工夫ですね、これが今求められているなというふうに思います。 それで、先ほどお答えあったように、多獲性魚種をこれからの加工振興の方向として打ち出すということを言っておられましたが、本当にぜひ研究してみなきゃならないと。今さまざまなものもグループによって研究され、あるいはグループの皆さんが有限会社を設立して、既に商品化して売り出していますね。ただ感ずるのは、サンマのゴボウ巻き、こういうのが3つ入って、300円ですよ。これと比べたら、値段がちょっと高い。うまいんですよ、すごくうまくて、やっぱりそういうものを好んで買う人たちもいると思いますが、それが大量に売られていくかというと、なかなか難しいのではないかというふうに考えています。そういう点で、こういうものの工夫ですね、ちょっとしたアイデアで安くて売れると。味もなかなかでしたね。ちょっと1匹だけサンマの油の味がきつくてあれでしたけれども、味としてはまずまずのものだったというふうに感じています。 それで、宮城はなかなか取り組み進んでいます。私、「日本人とさかな」って、これ季節、季刊で出ている、春夏秋冬と出ているものですが、こういうものを、この会に入って、「21世紀の水産を考える会」という会に会員として入って、これが送られてくるんです。この中で、気仙沼がスローフード都市宣言をしたと。地産地消に取り組んでいて、現在やっているのはサンマのつくだ煮を無添加で、カルシウム豊富な食べ物として大いに売り出す、PRをするということが出てました。そういう視点も、地産地消の上からも大いに参考にすべきことではないかなというふうに思います。 あわせて、昆布加工については、もっともっと積極的に推進すべきだというふうに考えます。その点どうなのかということをお答えいただきたいと思います。 続いて、領土問題にかかわることでありますが、先に、人道支援の前に財政措置の問題、北特法をめぐる問題でお尋ねをしたいと思います。 先ほどお答えあったとおりだというふうに思いますが、夕べからけさにかけて新聞報道が相次いでありました。それによると、北方領土隣接地域安定振興推進費補助金という、新たな問題ではないかなというふうに思うんです。最初、記事を読んだときに7条の改正かなというふうに思っておりましたら、そうではなくて、どうも10条に当たる部分ではないのかなというふうに思うんです。それで、この内容について市長が御承知をされておられるんだというふうに思いますが、どうなのか。それからこの中身について、新聞報道で必ずしも充分私たち、この中身がわからない状態でありますから、御承知であれば、この中身についてお知らせをいただきたいというふうに思います。 それから、人道支援問題、実はさまざまな問題抱えているなというふうに思います。確かに千島連盟が人道支援について引き受けた背景というのはさまざま考えられますし、千島連盟が引き受けた問題について、さまざまな配慮が必要ではないかというふうには思います。やはりきのうも連盟の理事長みずから茂木大臣に訴えていた、元島民の財産権不行使に対する補償もないまま、心中穏やかではないと、支援事業を行うのはですね。何らかの支援策を求めたいというふうに求めていますが、こういうことも背景にあって引き受けざるを得なかったんだというふうに思いますが、実は今日までの人道支援、実は医薬品等も、日本の医薬品等が使われていないというような事実もあるようであります。ですから、ことし医薬品はどうしたかというと、モスクワからわざわざ取り寄せて、それを買って、それを届けるということになるんだそうで、こういうやり方が本当にいいのかどうか、改めて検討しなければならない状態ではないのかと。人道支援について本当にどんな効果があったのか。それから市長が先ほど御答弁あったように、住民の意向や生活困難な家庭、社会的弱者に対して人道支援を、ロシア側の返還運動へのさまざまな事情を考慮してやらなければいけないという旨の答弁ありましたが、実際は人道支援が、生活が困難な家庭や社会的弱者にまで届いていないと。また、それを日本は検証すべき機関もきちんとしていないというもとで、改めて人道支援問題について考えてみる必要があると。 ですから、人道支援ということであれば、先ほど答弁いただきましたが、元島民へのきちんとした支援策をやらなければ、領土返還運動が本当に大きく気持ちの上でも、実際の運動の上でも後退してしまうような現状がつくられていると。道も、奨学補助の減額やあるいは取りやめてしまう。これは新聞報道によって明らかになっていますが、領土関係団体の事務局の統合等々、国の姿勢、道の姿勢が領土問題でまさに問われるという状態だと思うんです。私は領土問題について本当に大きく後退してしまっていて、日ロ行動計画の中に完全に埋没した問題ではないかなというふうにとらえていますが、その点しっかりと立て直しを政府に要求すべきだというふうに思います。 それから、教育問題、ADHD問題、多動性障害と呼ぶのが、そういう問題を抱えた子供たちにとって正確な呼び方なのかどうかという問題も最近言われています。障害ではなくて、諸神経の調整がうまくいってないという状態ではないのかと言う学者さんたちもたくさんおられる状態です。いずれにしても、有病率が6%にもなるとなれば1学級に1名、2名いるというような状態だと思うんです。この子供たちが学校生活になれてくると、ある程度学級でも落ちついた状況になりますが、春先、特にそういう子供たちが学級に入ってきた場合に、衝動的に教室から出ていくこともあるわけで、それらの対応を含めて、モデル事業として15年、16年度やって、16年法改正をやるようでありますけれども、そうなると17年度からの文科省のこの特別支援教育の実施が予定されているわけですけれども、いずれにしても早く条件整備して、これにふさわしい定数の確保やらなければ、先ほど教育長言われたように、比較的時数の少ない先生方と総合的に対応しなければならないといっても、先生方が研修やなんかで出張する機会が多いですし、有給もとるということが出ますと、小学校での対応というのは極めて不充分になってしまうという状況だと思うんです。その点、市教育委員会としてどう対応するのか。あるいは、やはり文科省に早く条件整備を求めていくべきではないかというふうに思います。 最後に、将来展望として根室千島博物館構想、道立で行うという将来展望については、それはそれで根室のおかれている位置づけからいって、必要なことではないかなというふうに考えます。そういう考え方でいけば、道立がいいのか国立がいいのかという問題にもなりますけれども、位置づけとしては大変大きな位置づけの中で取り組まなければならない問題だというふうに思います。しかし、将来展望の問題であって、現在博物館活動をもっと積極的なものにしていくためにやっぱり具体的な検討が必要だと。さっきそれらについて触れられた答弁ありましたから、早く、それらを急いで指定寄附金、建設基金の活用方法などについても充分な御理解をいただきながら、何らかの形でそれが有効に活用できるように、将来の長い展望ではなくてここ短期間の間の活用も含めて、ぜひ検討をしていただきたいというふうに思います。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  神議員の再度の御質問にお答え申し上げます。 いろいろの根室の水産品をPRするための御提言がございました。例えば、春鮭鱒についてのネーミングをつけるべきというようなこと、あるいは春鮭鱒についての春先のイベント的なものを検討したらどうかというようなこと、また多獲性魚種の加工品の売り出し、特にサンマ等についてはまだまだ検討の余地があるんじゃないかというようなこと、またスローフード、地産地消の問題等について御提言があったわけでございますが、私といたしましては、まちづくりと産業振興との観点から今後研究、検討してみたいと考えております。 今、御承知のとおり、我が国においてはデパ地下等と言われているように百貨店やスーパー等の食品市場の品そろえというのは、驚くべきほどのものでございます。そうした中で、従来の供給主導型から実際に消費してくださる消費者主導型、顧客主導型へ市場構造が変化してきているのではないかというふうに感じております。今後は地元生産者──魚を生産する側と都市の販売事業者がその評価を共有いたしまして、そして消費に当たるということが大変大切ではないかというふうに考えております。 当市といたしましても、これも既に報道されておりますけれども、水産資源産品CSI調整分析モデル事業というのをことし実施いたしまして、10月から11月の2カ月間、いわゆる地場産品の評価をして、それを、都会の方にその評価を持っていくというような内容でございますけれども、事業実施主体は大水──大日本水産会、そしてNPO法人の2事業主体でございますけれども、そうした中で市内で生産される水産加工品あるいは鮮魚等を、幾つかの評価項目を設けまして、その評価を分析し、そしてそれを地元ではこういうふうに考えておる、評価されておるということを全国に売り込んでいくというような事業でございますが、今後こうした事業、あるいは4漁協の青年部の連絡協議会、これを設置する予定ですけれども、そうした中でも若い感覚で地元の魚普及促進チームというようなものも立ち上げていただきまして、魚の普及・指導に当たってまいりたいというふうに考えております。 次に、一部新聞報道されました北特法等に関する補助金についての問題でありますけれども、先ほど御答弁申し上げましたが、北特法第10条に規定されております北方基金の運用益が減少しておりますことから、その漸減対策について、現在内閣府北方対策本部並びに国土交通省──国交省北海道局において御検討いただいているところであります。 このたび、一部報道されましたが、ある程度の内容は私も承知しておりますが、いまだ正式にその内容は明らかにされておりません。今後は内閣府並びに国土交通省と具体的に協議してまいりますが、いずれにしても北方領土隣接地域に対しまして、真に効果のある制度となるよう要望してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  渡辺教育長。 ◎教育長(渡辺好之君)  神議員の再度の質問にお答えしたいと思います。 1点目の特別支援教育についてでありますが、先ほど答弁しましたとおり、具体的内容がまだ示されておりませんが、議員おっしゃるとおり、人的充実は必要と考えておりますので、都市教育長会議等を通じて道教委や国に要請してまいりたいと考えております。 2点目の博物館問題についてでありますが、当市は他地域にない貴重な資料を多く保存しておりますし、また2名の学芸員による研究活動も全国的に高く評価されているところであります。このように、当市の活動は全道的に見ても一定の水準にあることも事実であります。このため、現在少しでも市民の要望に応えるため、郷土資料保存センターの展示部門の充実を図ることや、休日の開館を行うことなどについて、いろいろな角度から検討しているところであります。今後とも博物館建設審議会に対して検討結果を報告し、意見を聞くなどして具体策を固めてまいりたいと考えております。 ○議長(嶋津隆之君)  神君。 ◆(神忠志君)  1点だけ伺います。 北特法問題のいわゆる隣接地域安定振興推進費補助金の問題ですが、いずれにしても10条による今日までの基金運用と、あわせてこの推進費補助金がつくということだと思うんです。新聞報道されたことが正しいとすれば、そういう形になって、地元の要望にも一定の対応をするということになるんだと思いますが、中身としては非常に不充分なものだというふうに私自身は受けとめます。こういうことが行われたこと自体、少し前進だということだと思いますが、更にこれを足がかりにして、やはりきちんとした未解決の問題にふさわしい対応が一層図られるよう、なお強い運動をお願いをして終わりたいというふうに思います。 ○議長(嶋津隆之君)  昼食のため、午後1時まで休憩いたします。         午前11時52分 休憩         午後1時0分 開議 ○議長(嶋津隆之君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、4番下川靖男君。 下川君。 ◆(下川靖男君)  通告に従いまして、藤原市長に3つの課題について質問いたします。 まず最初の質問は、貝殻島昆布採取漁業についてであります。 この問題については、議会冒頭での藤原市長の行政報告で触れられましたが、改めて質問をさせていただきます。 貝殻島昆布採取漁業実現の経緯は、市長も御存じのように、戦前から歯舞諸島で多くの漁民が昆布採取で生活を成り立たせておりましたけれど、終戦後の1945年11月に、納沙布岬と貝殻島の間の珸瑶瑁水道にいわゆるマッカーサーラインが引かれ、これによって貝殻島周辺水域は、不当にも事実上旧ソ連が支配することとなったわけであります。しかし、昆布採取でしか生計を立てることのできない周辺のいわゆる零細な漁民は、拿捕を覚悟で無理な操業を重ね、結果、拿捕、銃撃が繰り返される状態がつくり出されました。こうした状況のもと、安全操業を求める切実な声を背景に、1963年6月10日、当時の大日本水産会と旧ソ連国民経済会議付属漁業国家委員会との異例の民間協定が締結され、途中、1977年の200海里元年から4年間の中断はあったものの、北海道水産会の川端元治会長らの尽力で、1981年、道水産会と旧ソ連漁業省との間で協定が締結され、今日に至っているものであります。自来、今日まで違反操業もなく200億円を超える水揚げ実績を上げ、昆布漁民の生活を支え、根室経済の底を支えてきた基幹産業となってまいりました。 このほど伝えられた情報によりますと、政府間で採取枠取り組みを決めた上で、採取量などを民間で決める方式というもののようであります。事実の確認ができていないという状況でありますが、昨年の交渉の中で初めて採取量が5,000トンと設定され、陸上見学者、いわゆる監視員の配置が提案されるなどの経緯を考慮すれば、充分にあり得る情報と言えるのではないかと考えます。したがって、時期を逸することなく対処する上でも、根室市としての基本的な認識を確立することが求められると考えますが、市長の見解を伺います。 同時に、この問題は民間協定とは言っても領土絡みの漁業問題であります。日本政府としての対応も重要であります。仮にもロシア側の提案を受け入れた場合、現行北方四島周辺水域操業枠組み協定に組み入れられる可能性も否定し切れないとしたなら、それは昆布協定の本来の精神が失われることになるわけであります。政府に対して責任ある対応を求めることも重要であると考えますが、藤原市長の見解を求めるものであります。 次に、2004年度予算編成方針について質問いたします。 さきに発表された予算編成方針並びに予算編成にかかわる基本的事項及び予算編成要綱などによりますと、国のいわゆる三位一体改革の具体化、特に地方への税源移譲が明確にならないなど、根室市としての予算編成にも大きな影響を及ぼしているものと思います。同時に、その方向が既に定められていることを考えるなら、地方交付税に加え補助金の削減などによって、市財政の状況が容易ならざるものにあることは私も認識を一にするものであります。私は、さきの第3回定例会で国の三位一体の改革の影響などについてただしましたが、今議会では、多額の財源不足が見込まれる中、緊急方針を設定して予算編成に臨む市長の政治姿勢について質問をいたしたいと思います。 予算編成要綱と7項目の緊急方針は、藤原市長の財政運営の姿勢を示すものではありますが、これは内部向けの方針であります。言うまでもなく、行政は納税者である市民との間で成り立っているものであります。したがって、根室市の危機的財政状況について、市民への説明責任をきちんと果たす必要が藤原市長にはあるのではないでしょうか。私は、そのことが充分果たされているとは受けとめておりません。また、納税者である市民は、当然のことながら、市政に対してハード面からソフト面までさまざまな要望を持っています。この要望に応えるのも行政の役割であります。 そこで、危機的財政の現状説明と、その中で市民要望にどう応えようとしているのかについて、その方策を伺いたいと思います。 2つ目は、歳入の確保についてであります。 根室市の歳入構造は、地方交付税が地方税を上回る典型的な農漁村型であります。したがって、市税、使用料・手数料、国・道支出金という構造を転換して歳入増を図ることは、基本的に困難であると言わなければなりません。また、市債の発行は抑制する方針であります。この上に三位一体の改革による国の補助負担金の削減の影響を考えるなら、歳入をどう確保するのかが行財政運営上極めて重大な課題となってまいります。その見通しについて伺いたいと思います。 3つ目は、歳出についてであります。 その1つは、公債費の抑制についてであります。 公債費の抑制は、市債発行の抑制と行政上同義語と解釈できるものであります。根室市の公債費はおおむね30億円を前後し、市税収入も30億円を前後して推移しております。つまり、市税収入のほぼ同額が借金返済に消えているという状態であります。財政硬直化の実態が簡単に見ることができます。地域経済の低迷と先行きを展望するなら、市税収入増は見込めないわけでありますから、歳出における市債発行を抑制する財政運営を余儀なくされることは論をまちません。私は、これまでの延長線上での各種事業の取捨選択の基準では、この窮状を乗り切ることは困難との認識を持ちますが、藤原市長の答弁を求めるものであります。 財政問題の最後は、特別会計、企業会計への繰出金の抑制についてであります。 予算編成における基本的事項の中で、一般会計における収支均衡を図るため、各特別会計、企業会計への繰出金の抑制と独立採算制の確保を改めて求めております。財政運営上の一般論としてなら理解できますが、それぞれの会計の構造及び性格上、そうはいかない会計も存在しますし、やがて受益者負担の原則を盾に使用料・手数料の引き上げに頼らざるを得ない会計もあります。例えば、港湾事業会計は漁獲量に左右される会計であり、もともと収支バランスがとれる仕組みとはなっておりません。水道、下水道などは料金収入とのバランスある支出が求められますから、最終的には料金にはね返ることを前提としなければなりません。こうなりますと、文字どおり市長の政治姿勢と政策判断にかかわる問題になるわけであります。こうした状況については、市民に対する説明がしっかりなされなければならないものと考えます。また、そのことに対する市民の声も酌み取る必要があるのではないでしょうか。藤原市長はどのような見解をお持ちか、答弁をお願いするものであります。 大きな質問の3つ目は、市立根室病院の建設についてであります。 先般の新市立病院建設特別委員会に大ざっぱな建設費の試算が提出されました。その論議は別の機会に譲るといたしまして、新病院建設に向けて最も重要な課題の一つは、財源見通しが立つのかどうかであります。新病院建設費用の大部分は起債で対応しなければなりませんが、元利償還金の2分の1を一般会計と病院会計のそれぞれが負担することを考えますと、一般会計の繰出金と病院会計での償還が可能なのかどうか、慎重な判断が求められるところであります。同時に、今日のように毎年のように医療制度の改悪が繰り返される状況では、建設後の経営予測はかなり困難と考えます。しかし、病院建設に向けて財源確保を可能にできるかどうかは、現行の経営を単年度収支バランスが図られる水準にどれだけ近づけられるかによって判断できるものと推察されます。その経営努力こそ必要と考えますが、いかがでしょうか。藤原市長の答弁を求めるものでございます。 2つ目は、予算編成における収入増の展望と患者さんに信頼される病院像の構築について質問いたします。 昨今、たび重なる診療報酬の引き下げなどによって、市立病院に限らず病院収益を上げることが困難になってきています。経営健全化計画での目標は理解しておりますが、新病院建設に向けた収益確保の展望について伺いたいと思います。 また、患者確保の上でも、病院本来の使命からいっても、信頼される病院であることこそが収入増につながる大切な理念と認識をするものです。市立病院に対する市民の信頼は徐々に高まっていると考えますが、医療スタッフへの苦情やソーシャルワーカーの未配置などによる不親切な印象など、いまだ改善されない問題も抱えております。これらの面の改善をどう図るかについて、市長の考えを伺いたいと思います。 質問の最後は、新病院の建設場所についてであります。 市民の皆さんは、建設計画の内容がつまびらかになるに従って、病院建設に大きな関心を寄せており、要望の大きさがうかがえます。診療内容はもちろん、最近では建設場所についての関心が特に高まっているように見受けられます。新築基本構想素案2では、建設用地についての条件を掲げておりますが、どのような日程と手順で決定しようとしているのか明らかにしていただきたいと思います。市民にとって、建設場所が決まらないと、より具体的イメージがわかないという声があり、また建設費の試算の上でも欠かせない条件と考えますし、できるだけ早い段階での公表が可能な努力を期待して、壇上からの質問を終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  下川議員の御質問にお答え申し上げます。 まず最初は、貝殻島昆布採取漁業についてでありますが、先ほど行政報告でもお話しいたしましたが、貝殻島昆布採取漁業は、昭和38年に締結された民間協定を基本に操業が確保されております。本協定は、日ロ双方の友好関係を将来的に発展させるかけ橋として、また拿捕の危険を冒して操業する漁業者の安全操業を実現するための人道的な見地から、当時としては異例の民間協定として締結されたものであります。こうした中、今般、ロシア側が本協定を政府間協定に変更したいと日本側に求めているとの報道があったところであります。こうした発言がロシア側から突然出される背景には、この協定が締結された当初の精神が忘れ去られ、単に経済行為として受けとめる意識が広まっていることによるものであり、今後、日ロ双方が原点に立ち返った協議が必要であると考えております。 また、本漁業は、前浜の昆布漁と一体をなす漁業であり、沿岸漁業の振興に欠くことのできない重要な漁業として、途中4年間の中断はありましたが、40年間の長期にわたって日ロ双方の信頼関係のもとに操業が行われてきたところであります。このような本協定に至った経緯を踏まえ、本漁業が今後も安定的に継続されることを基本に、12月1日、関係漁協、関係団体の皆さんと国の積極的な支援を要請してきたところであります。外務省、水産庁からは、現段階でロシア側からの提案はない旨の説明を受けたところであり、現在国において情報収集が行われておりますので、この動向を見きわめながら、市としては関係漁協、関係団体とも連携して、今後も現行の枠組みを基本とした協議が行われるよう国に対して求めてまいりたいと考えております。 次に、市財政の現状説明と市民要望への対応についてでありますが、私が市長に就任した当時、既に市財政は深刻な状況にあり、この状況を回避するため、財政の健全化を急を要する最優先課題に位置づけて、平成11年に財政再建計画を作成したものであります。この計画内容につきましては、議員の皆様への説明はもとより、「広報ねむろ」において、市の財政状況を一般家庭の家計簿に置きかえ、「市財政は赤信号!」のタイトルで、財政危機に陥った要因について市民の皆様に周知をするとともに、その再建推進に向け全力を挙げて取り組んできたところであります。その後、毎年度策定する長期財政収支試算についても、議員の皆様をはじめ市職員はもとより、新聞報道等を通じまして市民の皆様に周知を図っておりますほか、当初予算の状況や決算状況についても毎年5月と12月に「広報ねむろ」に掲載し、あわせて当市のホームページにおいてもその内容について公表しているところであります。今後においても、市民の皆様にはあらゆる機会をとらえ、市の財政状況についてお知らせしてまいりたいと考えております。 また、市民要望への対応に当たっては、これまで推進してきた政策評価の熟度を更に高め、市民の視点に立った事業選択と政策の立案を行うとともに、市民の皆様と行政がともに協力し合い、価値観を共有する中から協働による市民参画型行政を推進し、地域の活性化と市民福祉の充実を基本としたまちづくりを進めてまいりたいと考えております。 次に、歳入増の見通しについてでありますが、歳入の確保については、予算編成に係る基本的事項にも示してありますように、財政状況が極めて逼迫している現状から、すべての歳入金の適正確保を最重要課題として位置づけ、市税をはじめ財産収入、各種使用料の収納対策等の総点検を行うことや、滞納繰越額の解消対策の強化を指示しているところであります。また、各部局において制度・法令等を精査し、計上漏れのないよう財源確保に最大限の努力をすることについても、予算編成会議において指示しているところであります。しかし、長期化する市中経済の低迷などの現状から収入増を図ることは難しい状況になっており、特に自主財源の柱であります市税については、現時点における平成16年度の調定見込み額は、昭和60年度当初予算以来の30億円を割り込む見通しであります。これらに加えまして、三位一体の改革の一つであります国庫補助負担金の縮減・廃止に伴う影響が危惧される状況からも、歳入増を見込める状況にはないものと考えております。 次に、公債費の抑制対策についてでありますが、市財政の硬直化を招いた原因の一つは、社会資本の整備との関連性において、財政構造の脆弱性から派生する財源不足の多くを市債に依存せざるを得なかったことにあります。しかしながら、市債発行においては、ただやみくもに財源措置のために発行してきたということではなく、可能な限り後年度に交付税措置があるものを取捨選択しながら判断してきたところであり、これが端的にあらわれているのが起債制限比率の漸減傾向にあることを御理解いただきたいと思います。 いずれにいたしましても、今後の財政運営に当たっては財政再建計画の基本方針に基づき、市債発行の抑制、すなわち公債費の抑制を図るため、今後とも政策評価との連動により総合計画事業をはじめとする投資的事業の厳選を行い、財政構造の弾力性回復と体質強化に向けた取り組みに努めてまいりたいと考えております。 次に、特別会計や企業会計への繰出金抑制に伴っての御質問でありますが、地方公共団体における会計区分の位置づけとしては、各会計の財政状況をできるだけ一目瞭然にわかりやすくすることが望ましいとの考えから、地方自治法による会計方法として単一会計主義がとられているところであります。これは財政状況の把握や収支の調整を容易にし、健全財政の維持に機能するものであり、特に一般の行政と性質の異なる企業的事業においては、その責任の所在の明確化と事業的目標の達成効果の点からも、一般会計から区分した企業会計を設けて経理させることは、積極的な意義があるものと考えているところであります。 なお、特別会計及び企業会計への繰出金を抑制することによりまして、受益者負担への転嫁を懸念するとの御指摘でありますが、これについては各会計の維持存続と財政の健全化等を前提に、自助努力による財源の捻出や経費の抑制等を意図するものであり、各会計と一般会計の秩序を保つという趣旨であることを御理解いただきたいと思います。 また、いずれの会計にあっても市民負担や受益者負担の変化を伴う場合にあっては、これまでも議会はもとより、市民の理解と協力が得られるよう努めてきたところであり、今後ともこの考え方を堅持してまいりたいと考えております。 次に、市立根室病院にかかわる単年度収支のバランスについてでありますが、現在推進中の第5次病院事業経営健全化計画の中で、収入確保対策として、外来予約制や院外処方の拡大、耳鼻咽喉科、皮膚科の短期派遣医師の常勤化などによる診療体制の充実、院内での服薬指導、栄養指導、検診、人間ドック受診率の拡大等について更に一層努めてまいりたいと考えております。 一方、支出削減対策として、人件費の削減、一部業務の民間委託や事務作業の見直し、薬品、診療材料の節減と適正な在庫管理、管理経費の削減などに最大限努め、収入、費用、両面において経営合理化のため各種改善を確実に実施し、収支均衡を図ってまいりたいと考えております。 しかし、今後予定されております国における診療報酬の改定では、薬価の見直しにより医療費を約1%引き下げることや、医師の技術料など本体部分と呼ばれております薬代以外の改定幅を調整し、来年度予算編成にあわせて全体の下げ幅を決定することなどが検討されております。このことによりまして、中・長期的には病院経営に大きく影響を与えることが予想されるなど、病院経営を取り巻く環境がますます厳しくなることが予測されております。このような環境の中にあっても、市立根室病院は医師派遣大学の変更により、医療水準は飛躍的に向上しているとは言いながら、市内唯一の公的医療機関としての使命と役割を果たしていかなければなりません。採算性も、もちろん大変重要ではありますが、市民の命と健康を守るための医療提供を最優先しなければならないため、乗り越えていかなければならない多くの課題を抱えております。当面は、単年度収支における純損失の圧縮に向けて全力を尽くして取り組んでまいりたいと考えております。 次に、収入確保対策への取り組みや収入増の展望についてでありますが、平成14年4月の診療報酬2.7%のマイナス改定や本年4月の被用者本人の医療費3割負担の実施など、医療制度の改革は病院経営に大きな影響を与えているところであり、市立根室病院におきましても、経営健全化計画の推進に多大な影響が出ている状況下にあります。このような中で市立根室病院におきましては、旭川医科大学、北海道大学医学部による新体制になりました平成12年4月以来、常勤医師体制の充実や心臓血管外科、脳神経外科、循環器科などの標榜、更には人工心肺装置、冠動脈造影装置等の導入による高度医療部門の充実など、医師をはじめ医療スタッフ一丸となり経営改善に取り組み、収入増を図ってきているところであります。 特に、医師派遣大学切りかえ前の平成11年度と平成14年度の医業収入を比較しますと、入院収益におきましては4億6,500万円、34.3%の増、外来収益におきましては、平成14年度より院外処方を実施しておりますので薬価収益を除いて比較いたしますと2億2,800万円、26.1%の増となっております。また、本年度におきましては、医療費の被用者本人への3割負担の影響から患者数の減を懸念しておりましたが、本年度上期の患者動向では、入院延べ患者数が2万5,715人となり、前年度対比1,613人、6.7%の増、外来延べ患者数が9万4,384人となり、前年度対比2,446人、2.7%の増で、道内24市立病院の平均入院0.5%減、外来4.8%減をともに上回っており、特に外来では前年度同期を上回った病院としては、市立千歳市民病院と当院のみという状況になっております。 こうした状況のもと、本年8月より麻酔科、産婦人科が、短期派遣医師の対応に切りかわるというマイナス要因がありますが、引き続き医師派遣大学であります旭川医科大学や北海道大学医学部に対しまして、医師常勤化の要請を行い診療体制の充実に努めますとともに、先ほども御答弁申し上げましたとおり、経営健全化計画に掲げております収入確保対策を着実に進め、目標としております医業収支の確保に努めてまいりたいと考えております。 次に、患者に信頼される病院像の構築についてでありますが、市立根室病院は、市民の健康を守るため良質な医療を提供し、市民に愛される病院、市民が安心して暮らせ、心の支えとなる病院を基本理念として病院経営に取り組んでいるところであり、総合案内窓口や御意見箱の設置などにより接遇に対する苦情や改善要望の情報収集に努め、接遇マナー研修会の開催、更には院内に設置しております運営会議や環境改善検討委員会等におきまして改善検討を行うなど、職場全体の問題として取り組んでいるところであります。 また、ソーシャルワーカー、いわゆる社会福祉士の配置についてでありますが、少子・高齢化の進展、疾病構造の変化、市民の医療ニーズの多様化など医療をめぐる環境の変化を踏まえ、高度化、専門化する医療の中で面接等により患者や家族の悩みを聞き、心理的問題を含めた解決を側面的に相談・援助するサービスが求められており、医療ソーシャルワーカーの配置も必要であると認識しているところであります。このため、現在策定中であります市立根室病院の新築基本構想におきましても、医療ソーシャルワーカーの配置など、医療相談機能の充実を位置づけしており、今後人材の育成を含め、職員配置につきまして検討してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、患者数の増を図る対策を講じることは医業収益の増につながっていきますことから、今後とも患者や家族の心の安らぎと温かい雰囲気づくりに努め、市民に信頼され、親しまれ、安心して訪れていただく病院を目指し、患者サービスの向上改善に取り組んでまいりたいと考えております。 終わりに、新病院の建設場所についてでありますが、新病院の改築に当たっては現在基本構想策定の取り組みを進めておりますが、この構想の段階では建設用地を特定するのではなく、一般的な条件や具体の検討項目を掲げることとし、整備市民委員会の御意見を伺いながら、建設等に関する市議会特別委員会において御審議をいただいている状況にあります。 私といたしましては、用地の選定は、その場所、形態などによって建設方法や周辺の整備方法などに影響を及ぼすものであり、最優先の課題として取り組む必要があるものと考えております。したがいまして、基本構想が策定された後、速やかに用地の選定作業を進め、明年度の早い時期に議会及び市民の皆様の御理解をいただいた上で決定できるよう努めてまいらなければならないものと考えております。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  下川君。 ◆(下川靖男君)  御答弁いただきましたので、何点かについて再質問させていただきたいと思います。 貝殻島昆布の問題については、再質問というわけではないんですが、なぜ民間協定が結ばれたのかという経緯について壇上で若干述べましたけれども、既に御存じかと思うんですが、あの協定が結ばれる以前の拿捕問題というのは大変深刻でありました。私、今ここに根室海上保安部取り扱いの拿捕件数の資料を持っているんですが、これは根室海上保安部ですから非常に管内全体ですが、今日まで、昭和21年から1,328隻、9,431人の漁船員が拿捕されているわけです。北海道全体が1万5,217人、1,810隻でありますから、その6割がこの根室管内で拿捕されているという、こういう、まさにこの海が国境の海であります。特にこの協定が結ばれるまでの、つまり昭和38年にこの協定が結ばれましたから、昭和36年には75隻、424人に及ぶ拿捕の実態が統計上記録されているわけであります。このうち、特に昭和36年、貝殻島の昆布漁民の中で一度に11隻が拿捕されるという事件が起きましたし、それからこの年、高校生2名が拿捕されるという大変ショッキングな事件が起きました。こういうことを背景にして、昆布漁民はもとよりでありますが、根室の住民全体の悲願として安全操業の実現が叫ばれ、先ほど申し上げましたように大日本水産会及びその後の中断の後の北海道水産会などの御努力によって、今日の協定が結ばれたということであります。 ですから、そういう経緯を考えますと、政治的にはいろいろ領土問題絡みでありますから、日本の政府といわゆる旧ソ連政府との間での協定は事実上難しいわけでありますから、しかしこの昆布漁民の窮状を救うという精神でこの協定が結ばれたことを考えますと、やはりそれ以来時を経るに従ってロシア側の人物もかわり、結局、その精神が失われる形で見直しが求められるとしたら、これは根室市民にとっても大変重大な問題になるんだと言わざるを得ません。そういう点をいま一度認識をして、市長には先ほど御答弁にありましたような姿勢を貫いて、関係団体などと協力し合って、継続して安定した昆布漁業ができるように努めていただきたいと、これは要請をしておきたいと、こう思います。 次に、財政問題であります。 財政問題全般としては大変大きな問題でありますけれど、私は、この何年来根室市の財政が大変逼迫している現状の中で、市長の判断による事業の取捨選択というものがこれでいいのかということを、私ども共産党議員団かねがね主張してきましたし、今日その姿勢はもちろん変わりません。ますます重要だと思っているんですが、このままのいわゆる見直し基準を踏襲する形で事業の取捨選択を行って、果たして歳出を抑制することができるのかと率直に伺いたいと、こう思ったんです。 御答弁にあるように、私どもは取捨選択をやみくもにやっているとは考えてはいないんです、市長が。ただし、その取捨選択の基準は何かと、市長が政策判断を行うその軸は何なんだということは、もっと市民にわかるように、それから財政が健全化の方向に向かう方向で決めないと、緊急性だとか必要性だとか、もちろん将来の財政負担を考慮して決めるんだと言ってるけれど、実際にそのようにすべて行われてきたのかと言えば、そうは言えないんではないかというのが私どもの考えです。これは、先般の一般会計の決算委員会の折にも議員も触れられましたし、先ほどの鈴木議員も一般質問でその事業の取捨選択について触れられたんですが、例えば総合運動公園ありますよね、これでパークゴルフ場つくりました。これ議論のあるところだったと思うんです。どのあたりの要望で、市民の多数が本当にあのパークゴルフ場をつくってくれという要望としてあったのかと。多分、管理棟を含めますと億の単位の費用であります。この場合考えなきゃならないのは、仮に市民の皆さんの一定の方々が要望したとしても、そのことが必ずしもですよ、緊急性を意味しないし、必要性を意味するものではないんです。市長の緊急性や必要性の判断の基準というのは一体どこにあるのかと。わからないんです。だからそういう点で、今これだけの財政状況になったときに、例えば農道整備もそうです。国との関係で農免道路なんかも整備進めるという、こういう計画ですよ。しかし、実際行ってみたら、本当に今手つけなきゃならない道路なのかどうかといったら、素人目に見て、そうでない道路だってたくさんあるんです。要望が強いといえば、要望は強いですよ、やっぱり地域の皆さんの要望がありますから。だけれども、それで必ずやらなきゃならないのかといえば、そうではないと思う。その基準が、だれでもわかるように、市民が納得できるような基準でなければ、緊急性や必要性といったって、これは本当に根室市の財政が好転する要因にならないんではないかと、こう思うんです。だから、そこを見直す必要があるのではないかというのが、来年度の予算編成に向けて特に必要なことなんです。 確かに、枠配分方式で部課単位の、いわゆる完全割当方式という形で裁量権を持たせて予算づけするというやり方は、それはそれであると思うんです。しかし、最後はやっぱり市長の政治判断があるわけでありますから、その点はやっぱり基準を見直ししないことにはいけないんではないかというふうに思いますね。 企業会計、特別会計については、先ほど壇上で申し述べましたから、その点については改めて質問することにはいたしません。 病院の問題であります。 病院の職員の皆さんが、いろいろ努力されていることについては多とするものであります。しかし、それはすべて満点というわけじゃ、もちろんありませんし、収入増を図っていって、新しい病院に引き継いでいくという見通しが財源的に立つかどうかというのは、これは最大の問題ですよ。したがって、今私が壇上で聞きましたのは、単年度収支バランスがとれる予算編成と言ったわけじゃなくて、それにどれだけ近づいた予算編成ができるかということだと思うんです。今すぐ単年度、来年から収支バランスとれる予算編成にすれと言ったって、できるわけがないんです。その意味でさまざまな目標もあるし、努力目標あるんですね。ただ、ここで1つお聞きしておきたいのは、先ほどの御答弁にありましたように、全道まれに見る、今の医療制度のもとで患者数がふえている珍しい病院なんですね──珍しいと言っちゃ、ちょっと語弊がありますが、入院も外来もふえていると。なぜかと。やっぱり市立病院にかかわって、それだけやっぱり信頼も回復しているということだと思うんですが、このことを考えたときに、新しい病院も2次医療の位置づけをしっかりしているんです。今の根室市立病院も2次医療しっかりしていると。どちらかというと、1次医療はほかの、根室でいえば、もう公立病院ありませんから民間の医療機関になるわけです。それでいいかということになりますと、そうはならないんです。この根室のような医療の実態や、あるいは民間医療機関の機能、能力、そういうことを考えたり、あるいは現実に市民が市立根室病院を選んで患者数がふえているという実態を見たときに、市立根室病院は、基本的には2次医療をしっかり担う病院としての位置づけは間違いではないけれど、しかし1次医療をしっかりした上で2次医療も担うというふうな位置づけを改めて認識しないと、これは市民の医療ニーズに応えられないということ明らかなんです。そこを、新しい病院建設に向けても、いま一度そういう認識をしっかり示してほしいし、位置づけもそのようにしていただきたいと、こう思うわけです。 もう一つの問題は、親切な医療の問題なんです。 これは直接患者さんとの接点で、市立根室病院に改善しなければならないさまざまな改善点があることは御承知のとおりなんです。私が、1つ挙げて説明を求めてきたのは、ソーシャルワーカーを置かないために、患者さんが、現在ある医療制度についてもよくわからないということがたくさん生じているんです。例えば、高額療養費の請求の問題があります。一定以上の医療費がかかったら高額療養費を請求して返していただくと、戻していただくという制度があるんです。これ、国民健康保険もそうですし、社会保険もそうなんですが、例えば社会保険の患者さんが市立病院に行っても、こういう制度があるんですよということが必ずしも知らされませんし、あなたは社会保険事務所へ行って自分で書いて出してくださいというふうにして、こうなるわけなんです。字も書けなかったり、よくその要領がのみ込めなかった人は不親切だなと、何で書いてくれないんだと、釧路の病院へ行ったら書いてくれますよと、ソーシャルワーカーが配置していれば、相談室あるんです。配置していれば、こんな問題はすぐたちどころに解決するのに、社会保険事務所へ行ってやってくださいというふうに言うわけですよ。これが不親切だと言うんです。ソーシャルワーカー置かなくたって、一般の職員が長々と時間かけて説明しているんであれば、5分もあれば書けるこういうやつを、なぜ患者さんにやってあげないんだろうかというようなことなんかが随分あると。 この間、懇談しましたら、ある手術を受けた方が2名ほど、そんな制度あるとは知らなかったから、全額自分で払ったと、それでおしまいだったというふうに言った方もいるんですよ。こういうことが高齢者の高額医療費の問題については、高本さんがかっていろいろ問題提起をして、今それはすごく改善されて、北海道でトップクラスの状況になっているんです。ところが、一方で高額療養費の問題になれば、そのような実態があると。こういうものを改善するのはやっぱり焦眉の急なんですね。そうすると患者さんは、ああ、やっぱりここの病院も親切だということで患者さんがふえ、収入増につながっていくものもあるんだということをよく理解していただきたいと思って質問したわけであります。 言いたいことはたくさんありますけれど、時間ありませんので、何点かについて再度の御答弁よろしくお願いしたいと、こう思います。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  下川議員の再度の御質問にお答え申し上げます。 事業の取捨選択についてでありますが、先ほどもお答えいたしましたが、これまでも独自の政策評価の手法を取り入れ、緊急度、優先度、費用対効果、事業の継続性など、それぞれ数値化しながら事業の取捨選択を図ってまいりましたが、今後とも、より客観性を有する指標を用いるなど、政策評価の熟度を高める中で事業の取捨選択をしてまいりたいと考えております。 次に、市立根室病院の位置づけについてでありますが、1次医療の認識と位置づけについてでありますが、現在、市立根室病院では、御案内のとおり、内科、外科、整形外科など17診療科を標榜し、日々発熱や腹痛、打撲、骨折などの患者を受け入れているほか、禁煙外来の開設や糖尿病教室などの栄養指導の実施、更に検診業務の充実など、市民の日常生活における健康指導などの医療サービスの提供に努めているところであります。 私といたしましては、新病院におきましても根室市で唯一の公的医療機関として市民の命と健康を守るため、市内医療機関と連携を図りながら、ただいま申し上げたようなさまざまな医療活動等を継承しながら、地域センター病院としての機能、規模を確保し、地域医療ニーズの高い診療科や2次救急を中心とした救急医療体制の整備に配慮しつつ、今後とも根室市民が安心して受けられる医療サービスの提供と、市民から信頼される市立病院づくりに努めてまいりたいと考えております。 また、ソーシャルワーカーの配置等の関係につきましていろいろ御意見伺いましたけれども、先ほどもお答え申し上げましたとおり、今後医療ソーシャルワーカーの配置も必要であるとは私も認識しているところでございます。そのため、今後病院の新築基本構想の中におきましても、こうしたソーシャルワーカーの配置などにつきまして、人材の育成も含めた職員配置などにつきまして検討してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  次に、24番竹内正利君。 竹内君。 ◆(竹内正利君)  通告に基づきまして、漁業環境が与える諸問題を根定に置き、何点か質問をいたします。 間もなく15年度も終えようとしておりますが、根室の基幹産業と言われる漁業は魚価安に泣かされた1年でありました。春先のホタテに始まり、サンマ、アキサケ、根室にとっての漁業の代表格が予想外の魚価安、また昆布についても減産となり、多少の価格アップでは減産をカバーするに至らない状況にあり、漁業経営者のみならず、市中経済に与える影響ははかり知れないものがあります。 我が国の水産業は、漁獲量の減少、漁業後継者の減少、高齢化の進行等々により漁村の活力を失っている状況にあり、このような状況を踏まえ水産物の安定供給の確保、水産業の健全な発展を目指し、平成13年に水産基本法が制定をされました。また、平成14年度には水産基本計画を定め、10年後には水産物の自給率を65%と目標を定めております。しかしながら、この計画に反して水産物食用魚介類の自給率は年々減少し、昭和50年度を100%とすると昨年度の自給率は53%となり、海外の輸入品のウエートが年々高くなっていることが、この一例を見てもうかがうことができます。しかしながら、国は水産政策理念はできたものの、理念の具体的な諸施策の策定、実現には至っていない状況にあります。このような状況下の中で水産業はより一層衰退し、漁業を基幹とする町は崩壊をしてしまう危険性があります。水産基本法の理念に立ち、魚価保障制度、経営安定対策等々の漁業の安定を目指した具体的な政策を国に求めていくべきと考えますが、市長の見解を求めます。 次に、貝殻昆布操業についてでありますが、既に行政報告、下川議員よりの質問等もありましたけれども、意を新たにして質問をさせていただきたいと思います。 貝殻島周辺昆布漁について、民間協定から政府間協定への変更の打診があったとの一部報道があり、特に今年は操業時期のおくれや操業ブイの設置許可のおくれ、また新たに陸上監視員や5,000トンとの採取量の上限が制約されるなど、今までにない問題が起きていただけに、さまざまな憶測が飛び交い、地元漁民の間に不安感や危機感を募らせております。漁民の間では、現在の民間協定の維持を願う声が大きいわけでありますが、市長のお考えをお伺いいたします。 次に、雇用政策でありますが、一連の諸問題に加えて公共事業の縮減は、新卒者の雇用、冬期間の雇用等にも大きく影響を与えております。雇用の場をなくして定住なしと考えると、今後一層の人口流出が考えられ、市の諸計画にも多大な影響を与えるものと危惧するところであります。 国の労働力調査でも、失業率5%台の数値で推移しており、これら一連の問題を踏まえ、国は雇用対策法を改正し、地方公共団体は雇用に関する必要な施策を講ずるよう努めなければならないと明記し、自治体にとってこれまで以上に雇用に対する責任が求められております。根室市は、今年度も緊急雇用対策は講じているものの安定的な雇用対策には結びつかず、今後自治体としての雇用対策をどのように考えているのか、市長の見解を求めます。 次に、協働でありますけれども、今まで申し上げた諸課題は来年度予算にも大きく影響を与え、先日提出された16年度財政予算要綱では7項目の緊急方針、経常費は完全割当方式にするなど、各部の知恵と創造が試される環境になり、より一層の行財政改革の推進が望まれる状況となりました。しかしながら、今までの行革は職員の削減、部局の統廃合、公共事業の抑制、単純業務の外部委託など、どちらかというと行政のスリム化が中心であり、今後少子・高齢化等により、福祉分野をはじめとして各分野で行政サービスが増加する懸念があります。従来の行財政改革での財政抑制には限界があり、行政需要に応えていくことは難しく、今後行政評価、協働の理念がより一層重要になったものと考えます。特に今まで議論を重ねてまいりました協働についての進捗状況について市長の見解を求め、壇上からの質問を終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  竹内議員の御質問にお答え申し上げます。 漁業の今後の対応策についてであります。 初めに、魚価安定対策についてでありますが、当市の主要魚種における11月末の水揚げ平均単価を見ますと、サケ・マス漁業全体では、ロシア200海里内サケ・マス漁の生産量の落ち込みがありましたが、ベニザケ、シロザケが高値で推移したため、前年対比で約40%の増となっております。昆布漁では着生・育成不良による生産減量の中、期待された価格上昇がなく、ほぼ横ばいとなっており、全道的には生産量が増加しているホタテ漁につきましては約40%の減、全道の水揚げ高が過去最高となったアキサケ漁では約20%の減となっております。特に漁業団体が数量制限など懸命の努力をされたサンマ漁につきましては、約50%と大幅な減となっております。この結果、市内全体の水揚げ量はほぼ前年並みとなっておりますが、サケ・マス漁業を除く主要魚種の価格低迷の影響が大きく、水揚げ金額では前年比30%程度の落ち込みが予想される状況にあり、漁業者や市内経済に大きな影響を与えているものであります。 魚価低迷の原因は、生産量の増加や輸入水産物との競合に加えまして、長引く不況による消費の落ち込み、家計における魚介類購入額の落ち込み等によるものであり、今後はこうした需要の動向に適切に対応していくことが重要であると考えております。 特に食に対する消費者のニーズは、安心・安全は当然の時代となり、JAS法の改正による原産地表示の義務化などに見られるように、食品に対する情報提供の積極的な開示が求められており、どう魚を食べていただくのか、どう売るのかという視点が今まで以上に求められてくるものと考えております。国内の他地域や輸入水産物との差別化を図るためには、このJAS法改正を追い風とし、市と業界がより連携を深め、品質及び衛生管理の推進や地域ブランドづくりを着実に進めていくことが重要であると考えております。また、国民に対する水産物の安定供給など水産基本法の理念を実現していくためにも、再生産を確保できる漁家経営安定対策の充実が必要であると考えております。水揚げ集中などによる価格の低落に対応する水産物調整保管事業が有効に機能するよう、制度の拡充強化を国に要請してまいりたいと考えております。 竹内議員からお話がありました魚価保障制度につきましては、現在全国全道の漁協団体内で検討されていると伺っております。この推移を見きわめながら、市内漁協とも連携して対応してまいりたいと考えております。 なお、参考までに申し上げますと、農業の場合は多くの価格保障制度が設けられているのは御承知のとおりでございます。例えば、加工原料乳生産者補給金、肉用子牛生産者補給金、BSE緊急酪農生産基盤改善支援制度などが挙げられると思います。いずれにいたしましても、市としましては今後とも全道市長会や他の水産都市とも連携して、魚価安定対策に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、貝殻島昆布の操業についてでありますが、先ほども御答弁申し上げしたが、貝殻島昆布採取協定は、安全協定を願う沿岸零細漁民に対する人道的な見地と日ロ友好親善、そして両国の漁業の発展に寄与することがその精神であり、途中4年間の空白はありましたが、通算して40年に及ぶ伝統ある協定であります。この間、日ロ双方の信頼関係に基づき整然とした規則、規律の中で操業が行われてきたところであります。竹内議員がお話しされたとおり、本年初めて採取枠が5,000トンに設定され、また交渉妥結後、ロシア側の国内事情によりまして、操業開始が大きくおくれる事態となっておりますことから、地元漁民にはこれまで以上に来期以降の操業に対する不安感や危機感が広がっている状況にあります。 このような状況の中、ロシア側が本協定を政府間協定に変更したいと日本側に求めているとの報道がございまして、12月1日、交渉窓口であります北海道水産会、市内関係3漁協の代表者とともに、水産庁、外務省などに対して、本協定に至った経緯やこれまで培ってきた信頼関係を踏まえ、今後とも本漁業の操業が安定的に確保されること、また本年のように操業適期に出漁がおくれる事態とならないよう、国としての対応を要請してきたところであります。この中で、現段階では、ロシア側から我が国に対して政府間協定に変更したいとの提案はありませんが、今後水産庁、外務省が連携して、本漁業を今後も安定して継続させることを基本に情報収集などに取り組んでいくとの考え方が示されておりますので、この推移を見きわめてまいりたいと考えております。 また、関係漁協、関係団体とも連携を深めまして、今後とも本漁業の操業条件が現行の枠組みの中で協議されることを基本に置きまして、漁業者の思いが充分反映される強力な漁業外交が推進されるよう国に求めてまいりたいと考えております。 次に、自治体としての雇用政策についてでありますが、当市を取り巻く漁業環境は、平成12年12月の日ロ地先・沖合漁業交渉におけるマダラ漁獲割当量大幅削減や、ことしのロシア200海里内サケ・マス漁の漁獲量減少など、日ロ間の漁業交渉により漁業、水産加工業はもとより、製缶、運輸、サービス業などあらゆる関連産業に影響を与えまして、市中経済に対する先行きの不透明感が、市内企業からの求人数の減少としてあらわれているものと考えております。また、積雪寒冷という冬期間の厳しい制約を受け就労機会が減少する当地域におきまして、近年の公共事業の縮減に伴う土木建設事業者の受注率の減少などによりまして、当市を取り巻く雇用環境は全業種にわたり厳しい状況にあると分析しております。 このような状況を踏まえまして、当市における主要な雇用施策といたしまして、国や北海道と連携をして実施しております緊急地域雇用対策推進事業の活用による雇用の場の確保や、冬期援護制度に基づく冬期技能講習に対する支援、市独自の施策として実施しておる季節移動労働者に対する援護制度や新規学卒者の地元定着推進事業、更に優良勤労青少年や卓越技能者、中小企業永年勤続者表彰など、さまざまな角度から雇用の場の確保や市内労働者に対する支援などの取り組みをしているところであります。特に新規学卒者の地元定着事業につきましては、就職意欲の向上とミスマッチなどの解消を図るため、ねむろハローワークや中小企業家同友会根室支部などと連携しまして、学校へ出向いての説明会の開催や企業を訪問して直接話を聞く機会を設定するなど、積極的な取り組みをしているところであります。11月末現在の就職内定率は37.8%と厳しい状況となっておりますが、本年度の特徴といたしまして、高校生自身がこれまでの雇用のミスマッチに対する意識の変化が見られ始めておりまして、当市の基幹産業であります水産加工業などに積極的に求職活動をしていると伺っております。 今後におきましても、平成16年度事業として北海道に要望しております郷土資料データベース化事業などの緊急地域雇用対策特別推進事業の積極的活用や、本年度から新たに創設されました北海道の一村一雇用などあらゆる制度を活用し、雇用の場の確保に努めてまいりたいと考えております。 しかし、これまでも申し上げておりますが、地域の基幹産業である水産業が市中のあらゆる産業に影響を及ぼす当市の経済構造から、安定的な雇用の場を確保するためには基幹産業を中心とした産業振興が欠かせないものと考えておりますことから、一層の産業振興に努めてまいりたいと考えております。 最後に、協働──コラボレーションについての進捗状況でありますが、私は市長就任以来、まちづくりの主役は市民であるとの基本理念のもと、市政の運営に当たってまいりました。これは行政側の一方的な提案や単に要望に応える形ではなく、市民と行政が必要な情報を共有し合い、共通の課題認識を持って、それぞれの役割分担を踏まえながら市民参画型の合意に基づくまちづくりを進めていくということであります。 また、我が国の財政状況の悪化に加え、地域の基幹産業である漁業の低迷は市中経済に多大な影響を与え、市は厳しい財政運営を余儀なくされており、すべての行政需要や市民願望に応えることは困難であります。こうした面から、竹内議員お話しのように、行政評価や協働の理念が重要になってくるものと考えております。このようなことから、本来の自治のあり方を考え、協働をキーワードに、公共を行政に独占させるのではなく、市民セクターや企業も協働により公共を担う、新しい公共を考えることが必要であり、その担い手としてNPO活動やさまざまな市民活動、町会活動、民間企業との協働や委託が大きな役割を果たすと考えていることから、その推進を図ってきたところであります。 また、庁内ではNPO研究会を立ち上げ、さまざまな研究とNPO法人化への啓蒙と支援を行ってまいりましたが、本年10月に市内では初のNPO法人の設立に向けた申請があったところであり、順調に進みますと来年2月には認定になると伺っており、今後の活躍を期待するものであります。 更に、現在進めております平成17年度を初年度とします新総合計画の策定にかかわる市内5地域での地域懇談会におきましては、ワークショップの手法を取り入れながら、協働を合い言葉に市民と行政とがまちづくり論議を深めているところであります。協働の概念の共有化や浸透にはまだ戸惑いも見受けられますが、少なくともまちづくりに対しては同じ方向に進んでいるとの感を持っております。今後とも、適切な情報公開や市民活動に対する支援の推進を図りながら、市民と行政が一体となっての協働のまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  竹内君。 ◆(竹内正利君)  答弁がございましたので、自席より質問をさせていただきます。 魚価安ということで、デフレ経済下の中で、ついに魚まで価格破壊が来たのかというふうな思いがするわけであります。ただ問題なのは、漁業者の間では、実にこの価格帯が来年度以降も続くんではないかという懸念を持っているということであります。大きな価格アップが望めないということに対する不安は極めて大きいものが実はあるわけであります。万が一にも、今年度のような価格帯の中で操業されるということになってしまいますと、根室市ということになってまいりますと、大変破壊的な状況になってしまうんじゃないかということが非常に懸念をされるわけであります。どうも、先ほど市長の答弁にもありました。農業についてはさまざまな形の中で救済方法があると。しかしながら、漁業についてはそういう救済方法というのはなかなか見つかっていない。1つには、水産業を食糧産業としての位置づけがきちっとまだなされてないという、根本的なものもまたあるのかなというふうな懸念を持っています。水産基本法ができて、そのもの自体も有効に活用されていないというふうな思いもいたします。そういうことからすると、やはり何らかの漁業者の経営安定策をこの法律の中で求めていかなければ、実は漁業者はいなくなってしまうんじゃないかというふうなことを思っているわけであります。 実は、貝殻昆布の方にも関連しますけれども、昆布漁業者というのは零細漁民と言われていますけれども、実は歯舞組合で今年度の、まだ推定でありますけれども、採取金額が大体15億というふうに言われています。それを採取人員687名だったと思いますけれども、単純割合をしますと大体220万というふうな数字になるんですね。そうすると年間で220万という数字ですから、それが2人乗りで440万、単純に。このとおりにはならないわけですけれども、一つの目安としてそういう数字が浮かび上がってくるんだろうというふうに思います。その中から諸経費を引かれ、負債を引かれ、生活費を引かれということになってまいりますと、ほとんど今後の、12月以降の生活費も出てこないような状況になってくると。このような状況下の中で後継者ということになってまいりますと、なかなか自分の職業だと言いながらも、私の後を継いでくれと言いづらい、実は環境にあるんだろうというふうに思うんです。特に零細漁家と言われる部分については、漁家ということよりも、底辺の安定策をやっぱり何らかの形の中で講じていかなきゃならないんだろうというふうに思うんです。その辺のところを常に、せっかくできた法律の中で守っていくということがない限りは、確かに漁業者の中にも、さまざまな問題も持っていることも事実であるんだろうと思います。しかしながら、そういう安定策を講じていかない限りは、常にこのような連鎖反応の中でなってしまうんじゃないかと、改善もなされないままに、指摘をされたものも改善できないままにうごめいてしまうという危険性があるというふうに思うわけであります。この部分については、水産基本法をベースとした経営の安定化を求めて、どうか国に対して特段の力強い要請をお願いしたいというふうに思います。 次に、貝殻昆布でありますけれども、今申し上げたように昆布漁家の経営環境を考えると、やはり新たなというふうなことにはなかなかなりづらいと。何とか現状維持の中で、そして安定的に操業ができる環境をぜひとも関係組合等々含めて、更に力強く要請をしていただきたいということなんだろうというふうに思います。 次に、雇用対策でありますが、雇用対策については今後、実は行政の中でも大きな柱になってくるんではないかというふうな考えを実は持っています。壇上でも申し上げましたけれども、国の法律が改正されたということもありまして、独自の雇用対策をやはり打ち出していく必要性があると。しかしながら、先ほど来話が出ていますように、この財政難の中で抜本的な雇用政策を市独自として打ち出せるかということになってまいりますと、なかなか苦しいものが実はあるんだろうというふうに思うわけであります。そうしますと、どうしても国の支援策にうまくのっかかっていかなきゃならないというふうな情報の求め方も、片方ではとらえられるんだろうというふうに思います。 実は、ある雑誌のコラム欄にこういう言葉が載っていました。これからの雇用対策でありますけれども、特徴的なことは自治体の推進体制等を精査し、これは国が言っているということなんですが、自治体の推進体制を精査し、自治体の自主性と熱意が物を言うことになりそうだ。その中でワンストップ事業の推進と。経済産業省でモデル地区を10地区、2004年からやるということであります。地域産業の活性化を担う人材の育成ということであります。片方では、厚生労働省が市町村の雇用対策ということで、これは30地区を実はモデルケースとしてやろうとしている。この中では、緊急雇用対策というのは、来年を一つのめどとして終わりを告げていこうと。その裏には、実は経済もそろそろ底入れという一つの段階を迎えたという判断をしているやに、この中ではうたっていました。 そういうことから考えても、なかなかこれはモデルケースでありますので、非常に数少ない事業であります。そういうことでは、なかなか根室市がのるということはできないんでしょうけれども、ただ、根室市としてもさまざまな雇用問題を抱えているわけですから、連動した形の中でこういう事業を、早目に情報をつかんでとらまえていく。根室市もそういうことでは、雇用対策に対するきちっとした戦略をこれから持ち得ないと、なかなか国からも見放されてしまうんじゃないかというふうなことを危惧していくわけであります。そういうことを踏まえていきますと、新たな雇用対策のあり方というようなものをどうか研究をしていただきたいと強く要望いたします。この部分については、また改めて御質問を申し上げたいというふうに思います。 次に、協働でありました。壇上で申し上げましたように、行財政改革の一定のやはり限界はやがて来るんだろうと。行政のスリム化ということでは、そういう問題をはらんでいるんではないかというふうに思うんです。そういう状況になったときに、役所としてはどういう形で行政を進めていきたいのかと、運営をしていきたいのかということになってまいります。恐らく市民要望というのはさまざまな形の中で、どんな状況になっても出てくるんだろうというふうに思うわけです。その中でどういう形で、どういう方向性で進めていくのかということが非常に問われてくるんだろうというふうに思うんです。 市長は、そういうことでは協働という言葉を使い、市民が主役なんだという言葉を使っています。ですが、答弁の中でもありましたけれども、余り多くは知られていないんだというふうな答弁でありました、協働という言葉が。しかしながら、私から言わせると、協働という言葉の認識は、ほぼゼロじゃないかというふうに実は感じているわけです。 その協働、そしてパートナーシップというふうに流れていくわけでありましょうけれども、経済が悪くなってきたと。すっかり悪くなってから、さあ皆さん、協働ですと言ったときに、果たして市民は、そういう協働の理念に沿った形の中で協力してもらえるかどうかということが第1点としてあるんだろうというふうに思います。苦しいときだからこそ協働だという理念もあるでしょう。言葉もある。しかし、ある一定程度苦しさを通り過ぎてしまうと、行政、あんたたちやりなさいよと、あんたたちの仕事じゃないのという開き直りが、今後は出てくるんじゃないでしょうかという懸念であります。その辺のことを踏まえて、やはり早目に市民に具体的な方針案、そういうものを示しながら、市民と連動した形の中で今後協働という世界をつくり上げていきます、という方針を打ち出すべきだというふうに考えるわけですが、市長のこのことについては見解を求めたいと思うんです。 実は私ども、ことし志木市に行政視察に行ってまいりました。さまざまな形の中でやっておるわけでありますけれども、役所内部の事業に対しても、1,648件をどういう形で市民と協働できるかという精査をしておりますし、その行政の条例を策定するまでに約3年の月日をかけているわけであります。で、行政パートナーという形の中では、時給700円という設定をしながら市民との協働をしていくというふうなことになっています。非常に時間を要する部分が数多くあるんだろうと、志木市と根室市はイコールにはできないんでしょうと思いますけれども、やはりその辺を勉強しながら、やはり早急に進めていくべきだというふうに思いますが、市長の改めて見解をお伺いしたいと思います。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  竹内議員の再度の御質問にお答え申し上げます。 現在の財政状況下では、市民との協働を推進しなければ行政運営そのものが危なくなるんではないかと、協働の具現化方針案を出すべきではないかと、早急に進めるべきでないかというような再質問の趣旨だというふうに理解しましたが、現在進めております第3次行政改革、期間は御案内のとおり平成7年度から平成16年度まででございますが、この第3次行政改革につきましては、この基本となります行政改革実施要綱で協働の理念というのは、残念ながら明記されておりませんが、平成12年に設置された行政改革市民会議の中では、行政改革の基本理念として市民との協働を加える旨の意見をいただいております。今後策定予定の第4次行政改革実施要綱で、この協働を基本理念の一つとすることは、先ほども申し上げたとおりでありますが、現在の行政を取り巻く厳しい環境下では、必要なことは論をまたないことであります。効果としての公共サービスの向上と行政のスリム化という視点に立ちまして、積極的に進めていかなければならないと考えております。 また、協働の具現化、これを形にあらわすということにつきましては、今後行政改革の実施期間におきまして、市民に協働の一つの姿として可能な限り示してまいりたいと考えております。 現在、協働をキーワードとして、NPO、ボランティアなどの市民団体を対象といたしました具体的な方策や支援策についての行動計画を取りまとめ中でございます。明年の早い時期にこうした行動計画をお示しいたしたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  2時45分まで休憩いたします。         午後2時29分 休憩         午後2時45分 開議 ○議長(嶋津隆之君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、10番久保田陽君。 久保田君。 ◆(久保田陽君)  通告に従い、何点かお伺いをいたします。 最初に、国の地方債、公債費の額を説明をして質問に入らせていただきます。 平成14年度の自治体などの財政状況は、歳入歳出で87兆5,666億円、その歳入のうち、借金に当たる地方債は12兆6,493億円に達しておるという報告を受けております。一方で、歳出のうち、借金返済分である公債費は13兆4,314億円となり、地方の借入金残高は195兆円に膨れ上がると報告をされております。このような背景の中、国の三位一体による改革が進められ、交付税の削減はその依存度が高い自治体ほど財政基盤の根幹を揺るがされることから、大変危ぶまれていることも実態でもあります。 そこで、根室市の財政運営のあり方についてお伺いをしてまいります。 根室市においても、財政状況は極めて厳しい状況が続き、平成11年には広報紙を通し、「市財政は赤信号!」の見出しで非常事態と活字に表現をし、市民への周知を図っていたところでございます。その結果、市民は、根室市はお金がないとの認識は多少できたものの、職員費などに対して厳しい声も聞かれているのも事実であります。しかし、肝心の市民に直接かかる負担や影響などが示されないまま、広報されているのも事実と指摘せざるを得ません。 平成11年に非常事態の広報がなされておりますが、現在その予想を上回る財政状況の悪化となっております。まさに受け身の市民にとっては、大きな負担を強いられないとも言いかねません。市長が日々言う協働とは、このような苦しいときこそ発揮されるものと考える次第でございます。市政の運営に対して、行政要望をできる限り省いた財政説明と万策を尽くしていることへの説明、必要に応じて市民負担への協力を求めることが必要であると考えますが、市長の考えをお伺いいたします。 これから、財政状況を大きく左右する予算編成を控えておりますが、その歳入歳出をどう分析をしているのか。特に歳出の抑制は重要であることから、その縮減と抑制をどのように図っていくのか問われるところでもあります。特に歳出での固定費とも呼ばれる義務的経費の増加は、財政の硬直化を招くことも従来より指摘をされてきております。この財政の状況のもと、その増加をどのようにとらえているのか、お伺いするものであります。 また、現在自主再建を進める上で、市長の一歩踏み出した判断と何より決断が必要と考えますが、改めてその取り組む姿勢と具体策について明確に伺うものであります。 最後になりますが、実質再建団体との一部報道がなされておりますが、市長は策を尽きたときには再建団体やむなしと考えているのか、改めてお伺いをし、壇上からの質問を終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  久保田議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、市民への財政状況の開示についてでありますが、私は、市長就任後の平成10年12月に策定した長期財政収支試算において、多額の収支不足が生じている状況を踏まえまして、このままでは赤字団体への転落も懸念され、財政健全化は急を要するとの認識から、平成11年に財政再建計画を策定し、議員皆様への説明とあわせまして、「広報ねむろ」に「市財政は赤信号!」とのタイトルで、財政危機に陥った要因などについて市民の皆様にお知らせしたところであります。その後、毎年度策定する長期財政収支試算について、議員の皆様をはじめ市職員はもとより、新聞報道等を通じまして市民の皆様に周知を図るとともに、毎年5月と12月には「広報ねむろ」におきまして、当初予算の状況や決算状況の掲載とあわせまして、当市のホームページにおきましても、その内容について公表しているところであります。 今後においても、市民の皆様にはあらゆる機会をとらえ、市の財政状況や御提案のありました市民サービスの具体的変化についてもお知らせすることはもちろんのこと、財政に関する市の説明責任の面から考えますと、一般市民により理解しやすい内容にすることや、数カ年度の推移による比較可能な内容にすることなど、財政情報の質を高めることを基本においた情報開示に心がけてまいりたいと考えております。 次に、財政状況を踏まえた取り組み姿勢などについてでありますが、これまで平成11年に策定した財政再建計画を基本とし、更に毎年度策定しております財政収支試算を踏まえ、市税の収納率向上はじめ、各種事務事業の見直しや人件費の独自削減など、歳入歳出全般にわたって不断に見直しを図り、財政の健全化に向け取り組んできたところであります。このような取り組みにもかかわらず、長期化する市中経済の低迷による市税調定額の減少のほか、義務的経費や他会計繰出金の増嵩などに加え、本格的な高齢社会の到来による医療・福祉関係経費の増加から、平成16年度の財源不足額は約13億円と試算しているところであります。 また、国の地方財政制度改革による地方交付税の削減をはじめとする三位一体の改革による影響が確実であるとともに、長期化する市中経済の低迷などの現状からは急激な市税収入の回復は見込めない状況にあり、このままでは赤字団体への転落が危惧される状況であります。しかし、赤字団体に指定されますと国の管理下に置かれ、再建計画に基づいた予算編成を行うこととなり、市民の要望に適切に応えることができないという、まさに市の自主権と裁量権が実質的に失われ、市中経済や市民生活にも多大な影響が出ることは必至であります。このような影響を考えますと、私としては、市が主体的に実質的な再建を進めることが最善の選択と考えておりますし、今後においても引き続き全庁一丸となって財政再建を進めてまいりたいと考えております。 そのためには、人件費、公債費等の義務的経費の縮減や組織機構のスリム化はもとより、これまで以上に徹底した経費の縮減や施策等の見直しなどにより、持続可能な財政構造の確立を図らなければならないものとの考えから、来年度の予算編成に当たり経常歳出について、新たに完全割当方式を導入したものであります。 今後、三位一体の改革の具体化に伴っての状況を踏まえ、財政の健全化に向けた新たな対応方針を定めてまいりますが、国の地方財政制度への改革方針を考えますと、極めて厳しい財政運営を余儀なくされるところであり、来年度策定作業に着手いたします新たな財政再建計画は、現在の財政再建計画を上回る厳しい内容にならざるを得ないものと考えております。いずれにいたしましても、市財政の立て直しに向けて最大限の取り組みをしてまいりますので、更なる御理解と御協力をお願い申し上げます。 ○議長(嶋津隆之君)  久保田君。 ◆(久保田陽君)  それでは、自席から何点か御質問させていただきます。 今お答えにはなっていませんが、準用再建団体になるのかならないのかということをまだお答えはなってないので、改めてお答えを求めることになります。 平成14年と平成16年度では、当初予算の規模が当然縮小されていくわけであります。その財政規模では、義務的経費というのはますます増加されるというような見込みに立っているわけであります。平成15年5月、収支試算の内容からその義務的経費というのは、公債費35億、扶助費17億、また職員費は26.5%というような試算の内容になっていると報告をされております。こういった状況下の中で、この義務的経費をどう考えていくのかということが、ある意味では財政の巧妙というのか、どう表現していいのか難しいのですが、それらをどう判断していくのかということが非常に大切だろうというふうに考えるわけであります。 ここでは、公債費の償還額は当然今確定しておりますので、扶助費についても、こういった社会経済状況から見ても、当然増加傾向にあることは言うまでもないわけであります。そうしますと、残る義務的経費の縮減を図るというのには、思い切った人件費の削減が必要であるというふうに言わざるを得ないんであります。 もう一点、同時に考えなければならないのは、12億あるとされている委託経費の問題であります。この12億の経費をどのように縮減をしていくかも急務であると考えますが、同時に市長に伺うものであります。 私は、こういった提案を申し上げるときに、先ほど広報のお話をさせていただきました。この広報というのが、いかに市民、あるいはそれに携わる業者の方々もいらっしゃるでしょうから、その方々に事前にどこまで、その理解と協力を求める上で必要な目標数値にはなってくるんだろうというふうに考えるわけであります。そういったことで具体的経費の削減の根拠、こういったことも同時に説明をし、それに対する関係業者等々に協力を要請もできるということを考えるわけですが、市長のお考えを伺うものであります。 何点か質問させていただきますが、まず市長のお考えをお伺いさせていただきます。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  久保田議員の再質問にお答え申し上げます。 人件費及び委託料の抑制についてでありますが、人件費の抑制につきましては、現在も職員定数の削減をはじめ、各種手当の国公平準化や期末・勤勉手当の独自削減など、職員給与費の抑制に取り組んでおりますが、持続可能な財政構造の確立を図るためには、更に踏み込んだ抑制措置を講ずる必要もあると考えております。 また、委託料の抑制については、予算編成の基本的事項にも示しておりますように、新規の委託料は原則認めないことや、既存の委託料についても業務内容を更に厳しく精査するとともに、職員での対応可能なものなどを充分に検討し、更なる縮減を図るよう指示しているところであります。いずれにいたしましても、創意と工夫による行政運営を更に進めなければなりませんので、予算編成に当たりましては各部とのヒアリングを踏まえまして、その抑制を図っていかなければならないと考えております。 ○議長(嶋津隆之君)  久保田君。 ◆(久保田陽君)  それでは、何点か再々質問をさせていただきます。 準用団体にならないということでございますので、当然今の再建計画を推進していかなければならないということは、ほぼ確実だということになろうと思います。この再建計画って、一体どういうことを意味するのかということなんですが、今お答えになったところと重複するかもしれませんが、ある意味では施策を具体的に示すこと、それと準用団体になったらこうなると、ある意味ではその反対のところも説明するべきではないかというふうに思うんです。それはどういうことかといいますと、市民サービスはそうなった場合にはこうなりますよというような提案、提言というか危機感も、1つは、市民に対しては周知をすることも必要であろうというふうに思うんです。ですから、例えばそうならなくても今の財政状況では、市民負担はこうなりますということを、具体的に市民に対してわかりやすく説明をすべきではないかということを申し上げているわけであります。そのために、今しなければならないということを具体的に当然提案をし、理解を求めることが、ある意味では市長の今役割だろうというふうに思うわけであります。 先ほど職員費の削減ということを提案させていただきましたけれども、こういったことがなぜ必要かということは今先ほど述べたように、義務的経費の硬直化というのは、平成17年では当然ピークになるわけであります。そういった面で当然時限つきながら、皆さんの労使交渉の協力を得ながら、当然はっきりと申し告げて理解を求めていかないとならないというふうには思うんですが、それらをどの時期や、どの程度の削減規模なのかということを、必要設定をして、組合側に理解をはっきり求めるべきではないかというふうに考えるわけであります。 一例をちょっと挙げてみますと、私ども新風の会派として留辺蘂町に何回か──何回かって、1回お邪魔してその状況下、行財政改革についてお話を聞いてまいりました。それも前回の定例会も含めて、何点か質問の中にもあったというような気がしますが、実は平成15年度の予算編成時には、職員費が15%、扶助費において20%、維持補修費25%、繰出金が10%、全体において20%の削減、これは年2回の財政シミュレーションをして、当然町民や職員への情報開示をしているわけであります。平成14年度の11月に、平成15年、16年に限り職員費15%削減を提案しております。15年1月までに計6回の団体交渉をし、2月に妥結されたというようなところを報告されております。また、平成16年の財源不足が6億というような想定をされて、20から30%の歳出の削減の必要性はあるというふうに踏みまして、人件費の15%、補助金、負担金25%、委託経費15%削減するように理解を求めているというふうになっております。 こういったような数字ばかり述べて申しわけございませんが、そういった実情が他自治体では行われているということも実態ではあります。 当市、根室市においても、平成15年度は、先ほど説明ありました財源不足が14億でありました。この財源不足の14億というのは財政調整基金と臨時財政対策債、これらの原資をもって7億円程度補てんしたわけであります。ところが、平成16年に当たって13億の、先ほど市長の御説明あったとおり不足がなると、財源不足がなると。そういったときに財政調整基金も底をつく状態になっているわけですから、その財源をどこにどう出してくるのかというのは非常に、例えば基金を、積立金を取り崩さなきゃならないというような、いろんな手法論をとっていかなければ、この財源不足を解消できないわけであります。 一番問題になるのは、実質収支比率というのがあります。平成15年度では、マイナスにはなっておりません。しかし、平成16年度で、例えば13億という数字が確定をして、財源がないというふうに、例えばですよ、例とすれば、今標準財政規模が99億、15年でありますから、16年では恐らく90億近くに予想になるというふうに思うんです。そうなった場合には、当然簡単な割り算をすればわかるんですが、13%のマイナスというふうに出てくるわけです。これはどういうことかというと、マイナスの20%で準用団体になるわけなんです。要するに、根室市としてはそこまでの規模に来ているということを、やはり市民にどう理解をし、どう説明をし、そしてその負担がどういうふうになるのかということをきちんと説明しなきゃならないということを、先ほど来から質問等でお話をさせてもらっているわけであります。 当然、極端な例でマイナス13%と申し上げましたけれども、当然いろんな手法論を使い、このマイナスを解消していくだろうというふうに思いますから、いずれにしてもマイナスであることは間違いないというふうに思うんであります。そういった臨時財政対策債も6,000万というふうに、はじめとしていろんな制度の活用を確保する努力は、こういったことは認めるわけであります。ただ、自主再建をするということは、本当の意味で万策を尽くしているのかどうか、これらが一番今問われているというふうに思うんであります。こういった自主再建するということは、自主的に削減ができるというところを、再建が危ういという状態を市長自身が一番知っているわけですから、それをどう判断をするかということ、判断をし、決断をするかということが大切であるというふうに思うんであります。 こういった自主再建の取り組みについては、今の御説明もありましたけれども、いろいろと伺いました。それらについての努力も当然認めるわけでありますが、一歩踏み出したところの判断と決断を今市長がしなければならない、そういう時期に来ているんだろうというふうに思うんであります。ですから、今これからの予算編成が決まって、例えば先ほどの説明がありましたけども、平成16年に財政再建計画をもう一度立てるというような御答弁も下川議員の方でありましたけれども、例えばそうなった場合には、来年の3月に予算が執行されてしまえば、それ以後、財政再建計画を立てたとしても実行するまでスパンがあるわけです。ですから、その1年間を早目にやるんであれば、手をつけなければ、もっと財政状況が悪くなるということが言えるんではないでしょうか。そういったことでこの16年度の予算編成というのは、非常に歳出については大切な時期だろうということは切実に私個人としても思います。当然、この予算の執行に当たっては、私個人は議員としての、議会としても、その責任を私はあるというふうに思うんであります。ですから、その予算編成に当たっては充分慎重を期し、そしていろいろ皆さん御提案ありましたものをどう受けとめて、どう実行に移すかが今市長の判断、そして決断にかかってくると、何回も重複しますが、そう思うんであります。 そういったことで、ぜひそのところをやるかやらないかというところは予算編成への一つの、来年1年、そしてまた2年後におくれるのかどうかの判断になるというふうに思いますので、これらについて市長の御答弁があるんであれば、何点か御答弁いただければと思います。 以上で終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  久保田議員の再々の御質問にお答え申し上げます。 先ほどお答え申し上げましたが、いろいろ今久保田議員がお話しされましたが、私としては、やはりこの再建に当たりましては、市が主体的に自主的な再建を進めるということが最善の選択であるというふうに考えております。引き続き、全庁一丸となって進めてまいりたいと考えております。 これまで答弁の中で再三申し上げましたが、三位一体の影響をまず考えなければならんと、先ほど久保田議員も御指摘のとおりでございまして、平成16年度13億円の財源不足が見込まれておりますが、これに三位一体の影響がどの程度影響を及ぼしてくるのか、これがまだ不確定でございますが、今後、2月下旬までに財政収支試算を示したいというふうに考えております。 また、久保田議員が、こうした根室の財政逼迫の状況をあからさまに市民にもっともっと知らせるべきじゃないかというような御指摘もあったわけでございますが、先般、12月9日に新風の皆さんが、全国で唯一の準用財政再建団体の指定を受けまして、8年間ですか、8年間で再建を果たしたという……     (10番久保田陽君「10年間です」と呼ぶ) あ、10年間ですか。九州福岡県赤池町の安武氏を招いて講演を開催いたしましたが、私も出席した職員から報告を受けておりますが、また、赤池町のデータ等も調べておりますが、一番私が印象に残ったのは、財政再建のルール化ですね。ルール化、すなわち住民に理解していただいた上で、住民の義務を明確化すると。そうした上で再建を図ったんだと、この点。そして再建推進の過程で、住民の負担増、負担が増すこと、国との協議が必要なために住民の要望には直ちに応えられないということ、また福祉行政水準が、再建団体になりますと他市町村より下がったと、この事実ですね。こうしたことも住民にとって不利益等が生じたと。それはそれとして住民側が受け入れて、ともにですね、行政と住民が一体となって財政再建に取り組んだと、こういったことを私は強く印象に残ったわけでございまして、今後とも私としては、やはり根室のこういった窮状等も充分市民に周知せしめたいと。また、労使交渉の中でも、これは全職員に対しまして今の財政の逼迫の状況を数字をもって説明し、理解を求めているようなことでございます。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  以上で本日の議事日程はすべて終了いたしました。 本日はこれをもちまして散会いたします。 明日は引き続き午前10時から本会議を開きますので、定刻までに御参集をお願いいたします。 本日は御苦労さまでした。         午後3時16分 散会    上記会議の記録に相違ないことを証し、ここに署名する。       平成15年12月16日           議  長 嶋 津 隆 之           署名議員 下 川 靖 男             〃   澤 崎 文 剛             〃   田 塚 不二男...